ドロットニングホルム宮殿(読み)ドロットニングホルムキュウデン

デジタル大辞泉 の解説

ドロットニングホルム‐きゅうでん【ドロットニングホルム宮殿】

Drottningholms slottスウェーデンストックホルム郊外のメーラレン湖内、ローベン島にある宮殿。17世紀に創建、18世紀後半には、内装ロココ様式に大改築された。1982年以降は現王室の居城となるが、一部は一般にも公開されている。1991年「ドロットニングホルムの王領地」として世界遺産文化遺産)に登録された。

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世界の観光地名がわかる事典 の解説

ドロットニングホルムきゅうでん【ドロットニングホルム宮殿】

スウェーデンの首都ストックホルム市街中心部から約10km西方、メーラレン湖(Mälaren)の中の小島ローベン(Lovön)島にある同国王室の宮殿。ストックホルム市庁舎前の船着場からフェリーで約1時間ほどの場所にある。もともとは離宮だったが、1982年以降、国王一家が住んでいて、現在は住居以外の部分を一般公開している。緑豊かな森に囲まれた湖のほとりにあり、劇場や中国風の東屋などが点在する広大な庭園のあるバロック様式の宮殿で、「北欧ベルサイユ宮殿」とも形容されている。この宮殿が夏の離宮として建設が始まったのは1662年で、その後増改築が行われ、1756年にはほぼ現在の宮殿のかたちができあがった。バロック様式の建物だが、一部にロココ様式やグスタヴィアン様式が取り入れられている。世界遺産に登録されている。毎年夏には観光客用に演劇オペラが上演される。なお、メーラレン湖は、同国で3番目に大きい湖で、面積は1140km2、最大水深64m。この湖は運河によりストックホルムでバルト海とつながっている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ドロットニングホルム宮殿
ドロットニングホルムきゅうでん
Royal Domain of Drottningholm

スウェーデン中東部,メーラレン湖上のローフ島にある離宮。 1570年頃国王ヨハン3世王妃のために建てた宮殿が始まりであったが,完成を待たずに王妃が亡くなったうえ,1661年火災により焼失。 1662年国王カルル 10世の妃ヘドビッグ・エレオノーラが建築家テッシン父子 (→テッシン〈大〉 , テッシン〈小〉 ) に命じて再建着手,1700年完成。その後王妃ロビーザ・ウルリーカによる数回の増改築の末,18世紀中頃バロック様式を駆使し「北欧のベルサイユ」とたたえられる現在の姿になった。さらに 1754年宮殿の近くに劇場も建てられたが,数年後に焼失,1766年再建されて現在のドロットニングホルム劇場となった。 1991年世界遺産の文化遺産に登録。

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百科事典マイペディア の解説

ドロットニングホルム宮殿【ドロットニングホルムきゅうでん】

スウェーデン,首都ストックホルム郊外のメーラル湖のローベン島にある宮殿。16世紀に建造され,19世紀まで増改築されて3階建て,220部屋の宮殿が完成。フランスのベルサイユ宮殿を模したゴシック様式の建物で,〈北欧のベルサイユ〉といわれる。王宮,庭園,劇場,中国館などがあり,現在は国王一家が住む。1766年女王ロビサ・ウルリカが建てた宮廷劇場は息子のグスタフ3世が暗殺された後閉鎖されていたが,今は劇場として使用されている。1991年,世界文化遺産に登録。

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世界大百科事典(旧版)内のドロットニングホルム宮殿の言及

【ストックホルム】より

…ストックホルムは全国一の高等教育機関の所在地で,ストックホルム大学,カロリン医科大学,歯科大学,福祉大学,工科大学,芸術大学,体育大学のほか多数あり,また文化施設でも随一で国立美術館,歴史博物館,東アジア美術館,北欧博物館,海洋史博物館など約30以上を数え,なかでも世界で初めて古い民族的建造物を一堂に収集したスカンセン野外博物館やバーサ号博物館は有名である。郊外には17世紀に完成した北欧のベルサイユと称されるドロットニングホルム宮殿,グスタブ3世パビリオン,ノーベル賞受賞者の晩餐会が開かれる優美な市庁舎など歴史的建築物も多い。 新都市建設も盛んで,1930年のストックホルム国際見本市で同市の都市計画の理念である,太陽,空,光,緑を主軸とした機能主義が公表され,脚光を浴びた。…

※「ドロットニングホルム宮殿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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