にかほ(市)(読み)にかほ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

にかほ(市)
にかほ

秋田県南西部に位置する市。日本海に臨む。2005年(平成17)由利(ゆり)郡仁賀保町(にかほまち)、金浦町(このうらまち)、象潟町(きさかたまち)が合併して市制施行、成立。気候は対馬(つしま)暖流の影響を受け温暖で、稲作を中心とした農業が盛ん。また平沢、金浦の漁港があり、ハタハタなどの沿岸漁業や栽培漁業が行われている。日本海沿いにJR羽越本線と国道7号(酒田国道)が並行して走り、日本海東北自動車道の仁賀保、金浦、象潟の3インターチェンジがある。鳥海山の西麓を鳥海ブルーラインが走っている。
 北部から東部を占める仁賀保地区は、東京電気化学工業(現、TDK)の平沢分工場が設立されたところで、フェライト、セラミックコンデンサなどを生産してきた。かつて院内油田があり、院内油田関連遺産として近代化産業遺産群の一つに認定された。仁賀保高原には県営牧場やキャンプ場があり、観光開発が進められ、さらに2001年に大規模な風力発電基地が建設された。中西部の金浦地区は、県内でもっとも早くサクラの開花するところで、勢至(せいし)公園はサクラの名所として知られる。南極探検隊の白瀬矗(のぶ)中尉の出身地で、1990年に白瀬南極探検隊記念館が開設された。南部の象潟地区は鳥海国定公園に含まれ、かつては八十八潟九十九島の景観をみせ、松尾芭蕉(ばしょう)の『おくのほそ道』にも記された景勝地であった。1804年(文化1)の地震で土地が隆起し、潟は平地となったが、水田の中にマツの生えた小島が散在し、国の天然記念物となっている。芭蕉が訪れた名刹(めいさつ)蚶満寺(かんまんじ)(干満珠寺とも)には芭蕉の「象潟や雨に西施がねぶの花」の句碑が残る。象潟海水浴場、象潟温泉、郷土資料館などがある。
 小滝のチョウクライロ舞は国の重要無形民俗文化財、由利海岸波除石垣は国の史跡、奈曽の白瀑谷は国の名勝、鳥海山獅子ヶ鼻湿原植物群落(ちょうかいさんししがはなしつげんしょくぶつぐんらく)は国の天然記念物に指定されている。面積241.13平方キロメートル、人口2万5324(2015)。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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