はたはた(読み)ハタハタ

デジタル大辞泉 「はたはた」の意味・読み・例文・類語

はた‐はた

[副]
物を続けざまにたたいたり何かにぶつけたりする音や、そのさまを表す語。
下駄の雪を落とす音が、―と聞こえる」〈藤村千曲川のスケッチ
旗などが風にあおられたり、鳥が羽ばたいたりして立てる音や、そのさまを表す語。「洗濯物はたはた(と)ひるがえる」「はたはた(と)うちわであおぐ」
動作が迅速であるさま。
太夫―と来て」〈浮・禁短気・一〉
[類語]ひゅうびゅうぴゅうひゅっとびゅんびゅんひゅうひゅうびゅうびゅうぴゅうぴゅうそよそよさわさわそよざわざわさやさやさらさらばたばたひらひらびらびらぴらぴらひらりひらりゆらゆらゆさゆさちらりほらりほろりはらりぱらぱらふわふわひらり片片へんぺん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「はたはた」の意味・読み・例文・類語

はた‐はた

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 続けざまに打ち合わせる音、また、そのさまを表わす語。
(イ) 物を打ち合わせて音をたてるさま。
蜻蛉(974頃)上「つごもりの日になりて儺(な)といふ物心みるを、まだ昼よりこほこほはたはたとするぞ」
(ロ) うちわを使ったり、旗などがあおられたりして音をたてるさま。
※古活字本毛詩抄(17C前)三「はたはたとあふぎ、又飾りにもなるぞ」
俊寛(1921)〈菊池寛〉二「帆を朝風にはたはたと靡かせながら」
(ハ) 鳥のはばたくさま。
※玉塵抄(1563)二六「雞は時々を告てうたうとては羽をはたはたとふるうてならいて」
② はかばかしく事を行なうさま、動作が迅速であるさま、また、機敏であるさまを表わす語。
愚管抄(1220)五「『物さはがしく候。見候はん』と云て、はたはたと打出けるこそ、時にとりてよにたのもしかりけれ」

はた‐はた

〘名〙 昆虫しょうりょうばった(精霊飛蝗)」の異名。〔十巻本和名抄(934頃)〕

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