日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニシキゴイ」の意味・わかりやすい解説
ニシキゴイ
にしきごい / 錦鯉
fancy carp
淡水魚のコイのなかで、色彩や斑紋(はんもん)が美しく、観賞用にされるものの総称。かつては、イロゴイ(色鯉)、ハナゴイ(花鯉)、カワリゴイ(変わり鯉)、モヨウゴイ(模様鯉)などともよばれてきた日本特産のコイで、1958年(昭和33)ごろからニシキゴイとよばれるようになった。ニシキゴイは、マゴイ(真鯉)の突然変異で生じたシロゴイ(白鯉)、ヒゴイ(緋鯉)、キゴイ(黄鯉)などや、マゴイを相互に交雑させ、改良を重ねて作出された。原産地は新潟県小千谷(おぢや)市の東方の山村地帯で、現在では日本各地で育成されている。日本産種の間で作出されたニシキゴイは、色彩以外の形態や生態はマゴイとほとんど違わなかったが、ドイツゴイが移入された1904年(明治37)以降は、それらとの交雑によって変異の幅が拡大しており、それぞれの特徴に応じた呼び名が100近くもある。
[鈴木 亮]