ニュウナイスズメ(読み)にゅうないすずめ(その他表記)cinnamon sparrow

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニュウナイスズメ」の意味・わかりやすい解説

ニュウナイスズメ
にゅうないすずめ / 入内雀
cinnamon sparrow
[学] Passer rutilans

鳥綱スズメハタオリドリ科の鳥。同科スズメ属19種中の1種。全長約14センチメートル。スズメに似るが雌雄色彩を異にし、雄は背面赤みが強く顔面の黒色部はない。あごとのどの中央は黒色。雌は全体に羽色が鈍くのどの黒色部もないが、白色眉斑(びはん)は顕著である。日本、朝鮮半島、中国中部以南、インドシナ半島北部、ヒマラヤ地方などに分布する。日本では南千島、北海道の平地や本州中部以北の山地森林で繁殖し、冬季は本州南部、四国、九州などの平野地帯に移動する。草本の種子漿果(しょうか)などを好むが、昆虫クモもとる。

[坂根 干]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニュウナイスズメ」の意味・わかりやすい解説

ニュウナイスズメ
Passer rutilans; russet sparrow

スズメ目スズメ科。全長 14cm。雌雄異色。雄は背面が赤褐色,顔は白く,喉のみ黒い。スズメに似ているが,頬に黒色斑がないことから区別できる。下面は白色。雌は背面が灰褐色淡色の眉斑がある。アフガニスタンからヒマラヤ山脈の南山麓,中国東アジアに分布し,日本でも北海道本州中部以北の山地の森林で繁殖する。冬季は平地に移動する。秋季大群稲田に飛来し,イネに大害を与えることもあるが,近年では被害があまりみられなくなった。

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百科事典マイペディア 「ニュウナイスズメ」の意味・わかりやすい解説

ニュウナイスズメ

ハタオリドリ科の鳥。翼長7cm。体色はスズメより赤みが強く,雌にはのどの黒斑がない。アジア東部に分布。日本では本州中部以北の雪の多い地方で繁殖し,冬は暖地へ移る。木の穴などに営巣するが,巣箱や人家のすき間等を利用することもある。かつては大群をなしてイネを食害したが,現在は数が少なくなった。スズメよりも澄んだ声で鳴く。

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