ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(読み)ヌクレオチドケイギャクテンシャコウソソガイザイエヌアールティーアイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)

製品名
《アバカビル硫酸塩製剤》
ザイアジェン(グラクソ・スミスクライン、ヴィーブヘルスケア)
《エムトリシタビン製剤》
エムトリバ(日本たばこ産業、鳥居薬品
《エムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩配合剤》
ツルバダ(日本たばこ産業、鳥居薬品)
《エムトリシタビン・テノホビルアラフェナミドフマル酸塩配合剤》
デシコビ(日本たばこ産業、鳥居薬品)
《ジドブジン製剤》
レトロビル(グラクソ・スミスクライン、ヴィーブヘルスケア)
《ジドブジン・ラミブジン配合剤》
コンビビル(グラクソ・スミスクライン、ヴィーブヘルスケア)
《テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤》
ビリアード(日本たばこ産業、鳥居薬品)
《ラミブジン製剤》
エピビル(グラクソ・スミスクライン、ヴィーブヘルスケア)
《ラミブジン・アバカビル硫酸塩配合剤》
エプジコム(グラクソ・スミスクライン、ヴィーブヘルスケア)

 ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の増殖に必要な逆転写を阻害する薬で、HIV感染症の治療に使われる抗ウイルス剤です。非ヌクレオシド系逆転写酵素剤、プロテアーゼ阻害剤インテグラーゼ阻害剤などHIVの増殖抑制効果がより強力な薬剤の効果を高める役割があり、これらの薬剤を3剤以上組み合わせた多剤併用療法が初回治療の原則となります。


発疹ほっしん、かゆみなどの過敏症状、乳酸アシドーシスが現れることがあります。このような症状が現れたときは使用を止め、すぐ医師に相談してください。


 そのほかに、ジドブジン製剤では、再生不良性貧血など重い血液障害、うっ血性心不全、てんかん様症状、膵炎ラミブジン製剤ジドブジン・ラミブジン配合剤ラミブジン・アバカビル硫酸塩配合剤では、膵炎、重い血液障害、横紋筋融解症、ニューロパシー錯乱けいれん、心不全、脂肪肝、門脈圧亢進症、アバカビル硫酸塩製剤では、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、膵炎、脂肪肝、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩では、腎障害または重い腎機能障害、膵炎、エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩では、腎障害または重い腎機能障害が現れることがあります。


 このような症状が現れたときは使用を止め、すぐ医師に相談してください。


食欲不振、腹痛嘔気下痢嘔吐便秘鼓腸頭痛発熱、倦怠感、めまい傾眠、異常な夢、かゆみ、まぶしさなどが現れることがあります。


 こうした症状が現れたときには、医師に相談してください。


錠剤、カプセル剤があります。1日の使用回数・使用時間、1回の使用量などについては、医師・薬剤師の指示を守り、かってな判断で増量・減量したり、中止しないでください。


問診の際にあらかじめ、持病・アレルギーなどの体質、現在使用中の薬の有無などを医師に報告してください。薬によっては、併用できないことがあります。


 B型慢性肝炎を合併している場合では、ラミブジン製剤テノホビルジソプロキシマルフマル酸塩製剤エムトリシタビン製剤、それら薬剤を含む配合剤の使用中止でB型慢性肝炎が再燃することがあるので注意してください。


 アバカビル硫酸塩製剤及びその薬剤を含む配合剤では、6週間以内に過敏症(皮疹、発熱、胃腸障害、呼吸器障害など)がおこることがあります。こうした症状がおこったときは直ちに使用を中止し、医師に相談してください。


③過去にこの薬で過敏症状をおこしたことのある人には使用できません。必ず医師にその旨を報告してください。


 ジドブジン製剤及びその薬剤を含む配合剤では、好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少した人、アバカビル製剤及びその薬剤を含む配合剤では、重い肝障害の人は使用できません。


④薬によっては、妊婦または現在妊娠している可能性のある人、母乳で授乳中の人、低出生体重児、新生児、乳児、3歳未満の幼児、末梢神経障害・肝機能障害・腎機能障害・血液の障害などがある人は、使用できないことがあります。


エムトリシタビン製剤、それら薬剤を含む配合剤では、体脂肪の分布異常(腹部の脂肪増加、顔・手足の脂肪減少)がおこることがあります。


⑥これらの薬を使用中に、ほかの薬を使用する必要が生じたときには、前もって必ず医師に相談してください。


 ジドブジン製剤およびその薬剤を含む配合剤は、イブプロフェンと併用できません。ラミブジン製剤およびその薬剤を含む配合剤は、ソルビトールとの併用によりラミブジンの吸収が抑制されるので注意してください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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