ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネルウァ」の意味・わかりやすい解説
ネルウァ
Nerva, Marcus Cocceius
[没]98.1.
ローマ皇帝 (在位 96~98) 。五賢帝の一人。2度執政官 (コンスル ) となる。ドミチアヌス帝の暗殺後,その家柄と穏健さを買われて元老院に迎えられ,老齢で即位。先帝の恐怖政治時代から一転して,追放者を呼戻し,没収財産を返却した。元老院と協調し,祭儀を縮小,植民市 (コロニア ) ,道路,水道の建設,貧民への土地,食糧の配分,経済的負担の軽減などの政策を進め,これらは彼の養子とされたトラヤヌス,次いでハドリアヌスらに引継がれた。反乱の首謀者やキリスト教徒に対しても寛大であった。トラヤヌスを養子に定めてから3ヵ月後に急死し,アウグスツス帝の墓地に葬られた。
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