日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノボクズネツク」の意味・わかりやすい解説
ノボクズネツク
のぼくずねつく
Новокузнецк/Novokuznetsk
ロシア連邦中部、ケメロボ州の都市。1622~1931年の名称クズネツク・シビルスキー、1931~32年の名称ノボクズネツク、1932~61年の名称スターリンスク・クズネツクСталинск-Кузнецк/Stalinsk-Kuznetsk。西シベリアのオビ川支流トミ川の上流に、アバ川とコンドマ川が合流する地点のトミ川両岸に位置する。人口56万2800(1999)。クズネツク炭田(クズバス)にあるロシア屈指の冶金(やきん)工業都市で、1932年にクズネツク冶金コンビナートが鉄鋼生産を開始し、さらに60年代に西シベリア冶金工場が建設された。そのほかアルミニウム精錬、鉄合金、石炭採掘、機械製造(おもに鉱業用)、建設資材、化学・薬品、軽工業、食料品などの工業が盛ん。諸研究所(水力採炭、冶金)、単科大学(冶金、教育)、劇場、博物館、美術館などもある。
市の起源は1617年にアバ人(現在のショーレツ人)の住地に建設されたクズネツク柵(さく)(要塞(ようさい))で、22年に市となった。当時アバ人は鉄器の鍛冶(かじ)を特技としたのでロシア人は彼らをクズネツ(ロシア語で鍛冶屋の意)とよび、それが地名にもなった。工業が勃興(ぼっこう)したのは、第一次五か年計画(1928~32)で、マグニトゴルスク(鉄鉱山、製鉄所)と組んでウラル‐クズバス・コンビナートを構成してからであるが、いまは地元のゴルナヤ・ショリヤ産とハカシア産、およびカザフスタン共和国のソコロフ・サルバイ産の鉄鉱石を使う。
[三上正利]