はたり(読み)ハタリ

デジタル大辞泉 「はたり」の意味・読み・例文・類語

はたり

[副]
物が軽く当たる音や、そのさまを表す語。
「窓を―と卸す」〈漱石虞美人草
続いていた動きが急にとだえるさま。また、予想外の場面にぶつかるさま。ぱたり。「風がはたりとやんだ」
[類語](1すとんばたりすてんころりすってんころりばたりぱたりばたんぱたん/(2ぱたっとぱたりばったり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「はたり」の意味・読み・例文・類語

はたり

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. 物の落ちる軽い音、軽く打ち合わされる音、またそのさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「見かけたる書を、をぼへず手の中よりはたりとをとすぞ」(出典:中華若木詩抄(1520頃)上)
  3. 突然動きが途絶えたり、思いがけず出会ったりするさまを表わす語。ぱったり。
    1. [初出の実例]「牛馬のゆききははたりと止りて」(出典:春甫他宛一茶書簡‐文政三年(1820)一二月八日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「はたり」の意味・わかりやすい解説

ハタリ
Hatari!

1961年製作のアメリカ映画。ハワード・ホークス監督作品。東アフリカタンザニアにロケし,猛獣生捕りのプロフェッショナルたちの活動を描いているが,ホークス自身も〈これは西部劇の中に入れてもいい〉といっているように,主役ジョン・ウェインを中心に老・壮・青年の3世代に美女を加えたグループのチームワークが生み出す楽しさという点で《リオ・ブラボー》(1959)に始まり《エル・ドラド》(1966),《リオ・ロボ》(1970)とつづく西部劇三部作の〈番外編〉と見ることができる。3世代にまたがる人物配置,チームワークなどは《コンドル》(1939),《果てしなき蒼空》(1952)など,他のホークスのアクション映画にも見られる特徴であるが,《リオ・ブラボー》三部作では,そのグループが倒すべき〈敵〉や果たすべき目的よりもグループ内部の人間関係に多くの比重が置かれており,そうした特質は,〈敵〉の存在がなく,ほとんどプロットらしいプロットのない《ハタリ!》では,さらに純粋なかたちで発揮され,サイをトラックで追って捕獲する見せ場などの壮快なアクション,ヘンリー・マンシーニ作曲の挿入曲《子象の行進》に象徴されるユーモアと相まってきわめて異色の娯楽性に満ちたアクション映画となっている。もっともアメリカ的な映画のジャンルの一つである〈スポーツ映画〉の傑作とみなすこともできよう。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android