ビサヤ諸島(読み)ビサヤショトウ(英語表記)Visayan Islands

デジタル大辞泉 「ビサヤ諸島」の意味・読み・例文・類語

ビサヤ‐しょとう〔‐シヨタウ〕【ビサヤ諸島】

Visayan Islands》フィリピン中央部、ルソン島ミンダナオ島の間の海域に浮かぶ諸島パラワン島パナイ島ネグロス島セブ島ボホール島サマール島ボラカイ島、および多数の小島からなる。古代スマトラ島からビサヤ人が移住。海上交易の拠点となった。サンゴ礁や白い砂浜に囲まれ、海岸保養地として知られる島が多い。中心都市はセブ島のセブ市。

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改訂新版 世界大百科事典 「ビサヤ諸島」の意味・わかりやすい解説

ビサヤ[諸島]
Visayan Islands

フィリピンのルソン島とミンダナオ島の間に広がる島群。総面積約6万km2。自然地理的にはサマールレイテマスバテボホールセブネグロスパナイの主要7島にシブヤン,ロンブロン,タブラス,シキホールの4島を加えた11島とその属島からなる。降水量は東西両端の島々で多く(サマール島ボロンガンで年4257mm),諸島中央部で少ない(セブ島セブで年1626mm)。住民はビサヤ族と総称されるが,言語的には多くの異なる言語が話され(ビサヤ語),主なものでは,ワライワライ語(ワライ語)がレイテ島東半分とサマール島に,セブアーノ語(セブ語)がセブ島を中心に中部ビサヤに,ヒリガイノン語がパナイ島を中心に西部,北部の島々に分布する。行政的にはマスバテ島はビコール地区,シブヤン,ロンブロン,タブラスの各島は南タガログ地区に加えられ,残る主要6島とシキホール島がビサヤ地域とされ,東・中・西ビサヤの3行政地区,14州に区分される。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビサヤ諸島」の意味・わかりやすい解説

ビサヤ諸島
ビサヤしょとう
Visayan Islands

フィリピン中央部,東を太平洋,西をスル海にはさまれて,ルソン島からミンダナオ島にかけて散在する島々。名称をもつ島だけでも 700近くあり,主要なものはサマル,レイテ,マスバテ,ボホル,セブ,ネグロス,パナイの7島。熱帯季節風気候に属し,東部は降雨が多く冬季に最大となり,西部は冬から春に乾季が訪れる。住民はビサヤ族と総称され,西部ではヒリガイノン語,中央部でセブアノ語,東部でサマル語が主要な言語。セブ島を中心として古くから開発が進んだ。フィリピンで最も人口稠密な地域で,ミンダナオ島などに大量の人口流出がみられた。山がちの島が多く,おもに海岸部の平野でイネトウモロコシココヤシ,芋類,サトウキビ,マニラアサが栽培される。漁業も重要な産業である。面積6万 650km2

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビサヤ諸島」の意味・わかりやすい解説

ビサヤ諸島
びさやしょとう
Visayan Islands

フィリピン中央部の大島群。北をルソン島、東を太平洋、南をミンダナオ島、西をミンドロ島、スル海に囲まれる。サマル島、レイテ島、ボホル島、セブ島、ネグロス島、パナイ島、マスバテ島などの主島と多数の小島とからなる。面積6万2014平方キロメートル、人口約1600万(2000)。フィリピンでは開発の歴史がもっとも古く、第二次マレー系のビサヤ人がスマトラ島方面から移住し、定着したとされ、ビサヤの名もスマトラ島の古代王国シュリービジャヤにちなむといわれている。フィリピン群島の中心にあり、海上交通が便利なため人口が集中している。

[別技篤彦]

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