フィリピン,ルソン島南西部,マニラ湾の西に突出する半島。サンバレス山脈の南端にあたり,最大幅32km,全長約50km。第四紀の火山活動による火山山頂が全域に点在するが,なかでも北部のナティブ火山(標高1253m)と南部のバターン火山(標高1388m)の二つが卓越する。半島東岸には狭いながらも海岸平野が開けるが,南シナ海側は密林の覆う山岳地が海岸近くまで迫る。半島突端には天然の良港マリベレスMariveles港を有し,マニラ湾の入口を扼するという地理的位置の戦略的重要性は非常に高い。第2次大戦中の大激戦地であり,有名な〈死の行進〉の出発点でもある。マリベレスには1970年代初めに輸出加工区が建設され,多くの外国企業の進出がみられる。
→バターン攻略作戦
執筆者:梅原 弘光
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フィリピン北部、ルソン島南西部の半島。マニラ湾の西に突出する。長さ48キロメートル、幅32キロメートル、面積1373平方キロメートル。サンバレス山脈の南端に位置し、マリベレス山(1305メートル)などの高い山がそびえる。人口55万8000(2000)。行政的には半島全域がバターン州に属し、州都は東岸のバランガ(人口7万1088、2000)。西半部は熱帯密林に覆われ、東半部の平地に人口が集中する。マニラ市に送られる野菜、果物のほか、米、サトウキビなどが栽培される。1942年の日本軍の侵攻に際し、アメリカ・フィリピン連合軍との間に激しい戦闘が行われ、また、日本軍の捕虜の取扱いが問題化した「死の行進」の出発点となった。
[別技篤彦]
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