バンクシア
Australian honeysuckle
Banksia
ヤマモガシ科バンクシア属の樹木で,約50種がオーストラリアにあり,1種がさらにニューギニアにまで分布する。常緑の低木または小高木,観賞用としておもに温室で栽培されるものが多いが,耐寒性がある種では西南日本暖地の露地で栽培しうる。葉は互生し,切れ込みのないものから細かく羽裂するものまで種によりさまざまの形態をする。葉裏にはしばしば銀白色の毛がある。花は苞および小苞を伴った筒状の小花で,多数が密集して長さ5~30cmの筒状または楕円球形の穂状花序をつくる。花色は橙,黄,赤,紫などで美しい。増殖は種子では難しく,普通は挿木による。
執筆者:緒方 健
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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バンクシア
ばんくしあ
[学] Banksia
ヤマモガシ科(APG分類:ヤマモガシ科)バンクシア属の総称。半耐寒性の高木または低木。オーストラリア原産。葉は、縁(へり)に深い鋸歯(きょし)があるものや波状のもの、表面は緑色で裏面に銀白色の綿毛が密生するもの、羽状分裂形のものなど、種々の形がある。開花期は春から初夏が多く、花もちは長い。花は頂生または腋生(えきせい)し、原産地では地上1メートルくらいから着生する。花穂は長さ10~30センチメートル、太さ5~9センチメートル。花色は橙(だいだい)、黄、赤、紫色などがある。夏季は高温多湿を嫌うので、とくに排水のよい用土を使用する。冬季は2~3℃を維持する。繁殖は実生(みしょう)がよく、挿木は困難である。
[吉次千敏 2020年4月17日]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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バンクシア
Banksia; banksia
ヤマモガシ科の低木または高木。オーストラリアに 73種が分布するが,そのほとんどがオーストラリア固有種。枝が匍匐するように伸びる種類もある。葉形は多様であるが,鋭い鋸歯や切れ込みが入るものが多い。小さな花が多数穂状に集って,円柱形や球形,円錐形の花序を枝先に頂生する。オーストラリアは自然発火による山火事が起きやすいことで知られるが,種によっては,火事の熱によって果実が裂開して初めて種子をこぼす性質があり,自然環境に合った独特の仕組みで知られる。オーストラリアから切り花が輸入され,珍しい花容なため人気がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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バンクシア
ヤマモガシ科の常緑低木または高木で,約50種あるうちニューギニアの1種を除いてすべてオーストラリアに特産。耐寒性のある種は日本の暖地でも栽培可能だが,多くは輸入品が切花あるいはドライフラワーとして出回っている。葉は互生し,縁に切れ込みのないものから羽裂するものまで変化に富む。花は小さな筒状で2個ずつ対になって円筒〜球形の密な穂状花序を構成。開花するとめしべが長くつきだし,花序全体がブラシ状となる。花色は青系を除く各色がある。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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