準惑星(読み)じゅんわくせい(英語表記)dwarf planet

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

太陽系の中にあって,惑星と同様,太陽のまわりを楕円軌道で公転しているが,惑星よりも質量の小さい天体。2006年8月,国際天文学連合 IAUの総会において,(1) 太陽のまわりを楕円軌道で公転していること,(2) 自己重力でほぼ球形をしていること,(3) その公転軌道付近からほかの天体を一掃していないこと,(4) 衛星ではない,という性質を満たす小天体が準惑星であると定義された。2010年現在,準惑星に分類されるのは,冥王星エリスケレスマケマケハウメアである。冥王星は惑星に分類されていたが,直径が約 2400kmと,地球の月の直径 3500kmよりも小さく,またその軌道がほかの惑星の軌道と異なっていたため,惑星のなかでの位置づけが明確にできなかった。またケレスは最初に発見された最大の小惑星で 2006年準惑星に分類された。直径は約 900kmである。エリスは 2005年に発見された天体で,直径が約 2500kmある。これらの準惑星は,質量が小さいため,それぞれの軌道の近くの小天体に対する重力作用が小さく,惑星のように小天体の大部分をひきつけた大きな質量の天体にはなれなかったと考えられる。2008年6月,IAUは冥王星をはじめとする,海王星の外側にある準惑星を「冥王星型天体(プルートイド plutoid)」として分類した。冥王星,エリス,マケマケ,ハウメアがこれに該当した。

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デジタル大辞泉の解説

dwarf planet》太陽を公転する天体で、惑星の定義を満たさないもののうち比較的大型なもの。2006年に国際天文学連合(IAU)が設けた新しい分類で、これにより長らく惑星とされていた冥王星が準惑星とされた。惑星は(1)太陽を公転し、(2)自己重力で球形となっていて、(3)衛星以外の他天体を引力で取り込んだり逆に重力散乱で遠ざけたりしたため、公転軌道近くには他天体がないもの、と定義づけられたが、準惑星はこの(3)を満たさない。矮小惑星矮惑星
[補説]国際天文学連合では、冥王星エリスケレスマケマケハウメアの五つを準惑星としている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

2006年の国際天文学連合(IAU)総会で定義された太陽系の天体の中の新しい概念。これにより、冥王星(めいおうせい)は惑星ではなくこの準惑星の一員であるとされた。ここで定義された惑星の条件は、(1)太陽の周りを直接回り、(2)自己重力による流体力学的平衡でほぼ球形をなすほどに大きく、(3)自己の軌道領域で重力作用により他の天体を排除するなど主要な天体としてふるまう、の3点を満たすことである。このなかで、(1)と(2)を満たすけれども、(3)を満たすほどには大きくない天体が、準惑星=ドウォーフ・プラネットである。すなわち準惑星とは惑星ではないが、太陽系において惑星に準じる大きな天体と認められたものということができる。

 準惑星に属する天体としてはこれまでに、太陽系外縁天体の一つであることが明確になり前記の惑星の定義で惑星から外れた冥王星(直径2370キロメートル)、火星と木星の間を回る小惑星帯で最大の天体であるケレス(直径952キロメートル)、それに太陽系外縁天体のエリス(直径2400キロメートル)、ハウメア(最大径1920キロメートル)、マケマケ(直径1400キロメートル)の計五つが、IAUで認定されている。直径が数百キロメートル程度以下で、自己重力でほぼ球状をなすほどに大きくない他の小惑星やカイパーベルト天体は、彗星(すいせい)や小さな隕石(いんせき)などとともに、「太陽系小天体」というカテゴリーに入れられた。詳しくは、『理科年表』を参照。

 なお2006年のIAU総会での決定に伴い、dwarf planetドウォーフ・プラネットに対して仮の訳語として「矮惑星(わいわくせい)」が与えられたが、日本学術会議を中心に新しい惑星の定義に関する対応を検討した結果、2007年(平成19)4月、dwarf planetに対応する日本語名として準惑星の名を推奨することが公式に決定された経緯がある。

[海部宣男 2017年4月18日]

『国立天文台編『理科年表』各年版(丸善出版)』


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精選版 日本国語大辞典の解説

太陽を公転する天体で、惑星の定義を満たさないもののうち比較的大型なものをいう。二〇〇六年に国際天文学連合が設けた分類。これによりそれまで惑星とされていた冥王星が準惑星となった。

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知恵蔵の解説

惑星」のページをご覧ください。

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