デジタル大辞泉 「態」の意味・読み・例文・類語
たい【態】[漢字項目]
[学習漢字]5年
身や心の構え。広く、ありさま。ようす。「態勢・態度/擬態・旧態・形態・姿態・事態・失態・実態・醜態・重態・状態・常態・酔態・世態・生態・
[名のり]かた
[難読]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
動詞にみられる文法範疇の一つで,主語(主語・述語)と動作の関係を示す。たとえば,英語のJohn kicked the dog.という文で〈kick〉という行為の主体であるJohnは主語としてあらわれており,その動作の及ぶ対象であるthe dogは目的語となっている。このような場合動詞は能動態active voiceである。これに対して,同一事実を視点を変えてThe dog was kicked by John.ということができる。ここでは〈kick〉という動作が向けられるthe dogが主語になっていて,前の文で主語としてあらわれた行為者(John)は前置詞に導かれている。このような場合動詞は受動態passive voiceであり,英語ではbe動詞+過去分詞の形をとる。英語などではこの能動と受動の二つの態だけが区別されるが,たとえばギリシア語などでは,さらに中間態middle voiceが存在する。これは主語自身にその動作が及ぶことを示すものであり,louō〈洗う〉という能動態形に対して,中間態のlouomaiは〈自分の身体を洗う。入浴する〉の意味である。そしてそれぞれ能動・受動・中間態は異なった活用形式をもつ。
このように態は本来ギリシア語文法に由来する概念であるが,冒頭の定義に従い,他の言語に眼を向けてみれば,能動・受動・中間態だけでなく,より多くのものがそこに含まれる。たとえば,エチオピアのアムハラ語では,mätta〈打つ〉,tämätta〈打たれる〉,asmätta〈打たせる〉のように,基本語幹形に,それぞれtä-やas-という接頭辞を付加することによってあらわされる受動態や使役態が存在する。また日本語では,態の違いは通常助動詞によって区別され,受動(受身),使役,可能,自発などの態を認めることができる。また〈しまる〉-〈しめる〉にみられる自動と他動の対立も,態における対立ということができる。
なお,〈態〉のかわりに〈相〉という用語が用いられることもある。
執筆者:柘植 洋一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…このようにみてくると,日本語の〈読む〉―〈読んでいる〉にみられる〈……スル〉形と〈……シテイル〉形の対立は相の違いに基づくものであるということができるだろう。 なお,〈相〉という術語はvoice(態)の意味で使われることもあるので,その点留意する必要がある。【柘植 洋一】。…
※「態」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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