ヒロハシ(読み)ひろはし(英語表記)broadbill

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒロハシ」の意味・わかりやすい解説

ヒロハシ
Eurylaimidae; broadbills

スズメ目ヒロハシ科の鳥の総称。20種からなり,全長 13~28cm。は長くはないが,その名のように幅が広くて大きい。尾羽は多くの種では短いが,長い種もいる。羽色は多様で,緑色青色を主色とする美しいものが多いが,森林樹冠で暮らしているために目立たない。昆虫クモのほかトカゲやカエルなどもとる。飛びながら昆虫類をとることが多い。巣は水上に張り出した木の枝などにつるすようにしてつくり,2~8個の卵を産む。アフリカサハラ砂漠周辺とヒマラヤ山脈東部から中国南部,東南アジアスマトラ島ボルネオ島フィリピンにかけて分布する。また,近年の遺伝子による分類研究の結果,南アメリカパナマからエクアドルに生息するヒロハシマイコドリ Sapayoa aenigmaマイコドリ科から本科に移された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒロハシ」の意味・わかりやすい解説

ヒロハシ
ひろはし / 広嘴
broadbill

鳥綱スズメ目ヒロハシ科に属する鳥の総称。この科Eurylaimidaeには14種がある。鳴管や足の構造から、スズメ目のなかではもっとも原始的な鳥と考えられている。全長13~30センチメートル、ずんぐりした体つきをしており、嘴(くちばし)は名のとおり幅広く、足は短い。羽色はいろいろであるが、美しいものが多い。インド、ネパールから東南アジアやアフリカに分布し、森林の樹上にすむ。枝葉の間を伝い渡りながら、あるいは枝から空中にぱっと飛び立って、昆虫をとらえて食べる。木の実や草の種子を食べることもある。川の上に突き出した枝上に、側面に入口のある洋ナシ形のつり巣をつくり、多くの種では2、3個の卵を産み込む。巣づくり、抱卵育雛(いくすう)は雌雄ともに行う。

[樋口広芳]


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