ピアス鉱(読み)ピアスこう(その他表記)pearceite

最新 地学事典 「ピアス鉱」の解説

ピアスこう
ピアス鉱

pearceite

化学式[(Ag, Cu)6(As, Sb)2S72・[Ag9CuS42+鉱物砒雑銀鉱とも。かつてピアス鉱と呼ばれたものはpearceite-Tacに,砒ポリバス鉱−221(arsenopolybasite-221)と呼ばれたものはpearceite-T2ac,砒ポリバス鉱−222(polybasite-222)と呼ばれたものはpearceite-M2a2b2cとなった。pearceite-Tacの場合,三方晶系,空間群,格子定数a0.73876nm,c1.18882,単位格子中1分子含む。黒色金属光沢,六角板状結晶,ごく薄いものは褐緑色~赤色半透明。劈開なし,硬度3,比重6.15(測定値),6.07(計算値)。反射光で白色,暗赤色の内部反射。鉱脈鉱床から針銀鉱・自然銀・淡紅銀鉱・石英・重晶石・方解石などとともに産出。米国の化学・金属学者R.Pearce(1837~1927)にちなみ命名。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピアス鉱」の意味・わかりやすい解説

ピアス鉱
ぴあすこう
pearceite

少量の銅(Cu)を含む銀(Ag)とヒ素(As)の硫塩鉱物。化学式[Ag9CuS4][(Ag,Cu)6(As,Sb)2S7]は2007年に決定された。アンチモン(Sb)置換体のポリバス鉱(雑銀鉱)などとともにピアス鉱‐ポリバス鉱系を形成する。三方ac型、三方2ac型、単斜(擬三方)2a2b2c型の多型、あるいは超周期相が少なくとも計3種類知られている。自形は六角板状。底面上の条線は三方晶系の対称に従っている。

 浅~深熱水性鉱脈型金・銀鉱床から産する。日本では新潟県佐渡(さど)市佐渡鉱山(閉山)のものがわずかにAs>Sbの単斜相であることが確認されている。共存鉱物は針銀鉱、自然銀、淡紅銀鉱、石英、方解石、重晶石など。命名はアメリカ、コロラド州デンバーDenverに在住していた化学者リチャード・ピアスRichard Pearce(1837―1927)にちなむ。

加藤 昭 2018年7月20日]


ピアス鉱(データノート)
ぴあすこうでーたのーと

ピアス鉱
 英名    pearceite
 化学式   [Ag9CuS4][(Ag,Cu)6(As,Sb)2S7]
 少量成分  Pb,Fe,Zn,Au,Bi,Se,Te
 結晶系   三方および単斜(擬三方)
 硬度    3
 比重    6.07
 色     暗鉄黒
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)
 その他   2007年、上の化学式の後半の鍵括弧内でCu>Agとなった新鉱物、銅ピアス鉱cupropearceite(化学式[Ag9CuS4][(Cu,Ag)6(As,Sb)2S7])が記載された。

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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