ピスタチオ(読み)ぴすたちお(英語表記)pistachio

翻訳|pistachio

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピスタチオ」の意味・わかりやすい解説

ピスタチオ
ぴすたちお
pistachio
[学] Pistacia vera L.

ウルシ科(APG分類:ウルシ科)ピスタシア属の果樹。西アジア原産で、4000年以前から地中海沿岸地域で栽培されていた。葉は奇数羽状複葉で互生し、3枚から十数枚の小葉からなる。雌雄異株で風媒花。花は花弁を欠き、緑褐色の萼片(がくへん)5枚があり、雄花は5本の雄しべ雌花は1心室1子房をもち柱頭は3裂する。果実は卵状長楕円(ちょうだえん)形の核果で、黄色から赤黄色に熟す。果肉を除くと内に白色の殻状の核果がある。これがピスタチオ・ナッツで、内に緑色多肉の子葉を含み、生食するほか菓子、アイスクリームの材料となる。ナッツには可食部100グラム中ビタミンA効力60IU、チアミン0.70ミリグラム、タンパク質17.5グラムなどを含む。ピスタシア属にはこのほか数種が知られる。トルコ、イラン、アフガニスタン、イタリア、シリアなどに栽培が多い。テレビンサスP. terebinthus L.はテレピンノキturpentine treeともいわれ、テレビン油を産する。レンティスカスP. lentiscus L.は南ヨーロッパに分布し、薬品原料の樹脂マスチックmasticをとる。トネリバハゼノキ(カイノキ)P. chinensis Bungeは二十数メートルほどの高木紅葉が美しく、街路樹に用い、またピスタチオの台木とする。

[飯塚宗夫 2020年9月17日]


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