ピリング(その他表記)pilling

デジタル大辞泉 「ピリング」の意味・読み・例文・類語

ピリング(pilling)

編み地や布地表面摩擦により、繊維がからみあって毛玉ができること。また、その毛玉。

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精選版 日本国語大辞典 「ピリング」の意味・読み・例文・類語

ピリング

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] pilling ) 織物の表面で繊維がもつれ合って、玉状になること。また、そのもの。特に合成繊維に多く見られる。
    1. [初出の実例]「これがゴミを吸着して汚れっぽいし、ピリング(毛玉)ができやすい」(出典:流行うらがえ史(1965)〈うらべまこと〉一四)

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改訂新版 世界大百科事典 「ピリング」の意味・わかりやすい解説

ピリング
pilling

羊毛セーターの表面でみられる小さなふわふわした玉すなわち毛玉pillのできること。初期のナイロンポリエステル繊維にもみられたが,原因を調べて解決された。毛玉は,織物や編物の糸に含まれている短い繊維が,織物の摩擦によって移動して互いに絡み合うことによってできる。ピリングは同じ布でも着る人によって発生のしかたが異なり,活動的な人ほどできやすい。紡糸法でもピリングの現れ方が違い,絹は最も出にくく,次にウーステッド,綿系の順序で,羊毛系がいちばん出やすい。ナイロンやポリエステル繊維のような強い繊維と羊毛の混紡では,強い繊維を含む毛玉が切断しないためにピリングが起こりやすいのである。ピリング防止の重要な工程として毛焼きとヒートセットがある。化学的加工法として,ポリエステル繊維の強度を低下させるための溶媒処理法,繊維の摩擦係数を上げるための樹脂加工法などがある。また原糸の段階で改質する方法が多く用いられるようになった。
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化学辞典 第2版 「ピリング」の解説

ピリング
ピリング
pilling

織物,メリヤスなどの布地の表面の繊維が摩擦によって,繊維がからみあった小さい毛玉(pill)ができること.その結果,織物表面の外観は損なわれる.ピリングの原因として,繊維の強度がとくに大きいこと,引き伸ばされた後の回復時に巻戻りがあること,帯電性があることなどがある.繊維を太くする,糸のよりを強くする,単糸を避け,より合わせた双糸を用いる,ヤング率を低下させた繊維を用いる,などの対策が行われている.織物よりメリヤスのほうが毛玉が生じやすい.

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