フェムテック

共同通信ニュース用語解説 「フェムテック」の解説

フェムテック

英語のfemale(女性)とtechnology(技術)を合わせた造語月経不妊治療、出産育児、更年期といった女性の抱える健康課題解決最新の技術で支援する製品やサービスの総称。代表的な製品に月経管理アプリや生理用吸水ショーツなどがある。市場拡大が急速に進んでおり、2025年に世界で5兆円規模になるとの推計もある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェムテック」の意味・わかりやすい解説

フェムテック

女性の健康や生活の改善につながる技術。女性 femaleと技術 technologyを組み合わせた造語で,ドイツで月経管理アプリ「Clue」を開発するデンマーク出身のイダ・ティンが2016年に提唱した。2017年のアメリカ合衆国の映画業界でのセクシュアルハラスメント性的いやがらせ告発発端とした世界的な「#Me Too」運動,さらに新型コロナウイルス(→COVID-19)感染拡大のなかで非正規雇用比率の高い女性の経済的困窮が顕在化し,「生理の貧困」がクローズアップされたことなどが重なり,女性だけで抱えてきた問題意識を多くの男性が共有するようになり,開発優先度の高い分野として注目されるようになった。新市場としての期待に加え,生理や精神的不安定によって生じる経済的損失を取り戻す効果にも着目されている。
妊娠や月経などにかかわる問題を技術的に解決するものでは,吸水性の高いショーツや経血を体内で受け止める月経カップ,女性側の意思で避妊できる経口避妊薬ピル)などが代表的である。月経管理アプリ,排卵日予測アプリのような ITツールや,更年期症状,乳癌子宮癌など女性の健康や美容,セクシャルウェルネス(性的健康)など概念は広い。2019年には日本の大手百貨店でフェムテック専門の販売エリアが登場し,2021年には日本フェムテック協会が設立された。

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