フレックス・タイム(読み)ふれっくすたいむ(英語表記)flex time

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フレックス・タイム」の意味・わかりやすい解説

フレックス・タイム
ふれっくすたいむ
flex time

各人の1日の労働時間は一定(たとえば拘束8時間)とするが、出・退勤時間は、各自職務内容と身辺の都合を自己調整して自由裁量にゆだねる制度。自由勤務時間制ということもある。ただし、協業の効果を考えて、ある時間帯(たとえば午前11時から午後3時)は全員就業していなければならない。この時間帯をコア・タイムcore timeという。以上のようないわば標準型のほか、コア・タイムはあるが1日の労働時間は一定としない方式、コア・タイムも1日の所定労働時間の定めもない方式もある。これらはコンプト・タイムcompt timeともよばれ、労働時間の不足もしくは超過を他の日で調整できる特色をもっている。フレックス・タイムは、時間的拘束と業績との間の相関が低い職務(たとえばセールス)で有効である。生産ラインのような相互の協力関係が不可欠な職務には、採用不能である。

[森本三男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フレックス・タイム」の意味・わかりやすい解説

フレックスタイム
flex-time

フレキシブル・タイムの短縮語。出社退社時刻従業員がある範囲なかで自由に決められる勤務体制をいう。1日の勤務時間が8時間である場合,たとえば午前 10時から午後3時までをコアタイムとして,この時間帯は全従業員が勤務につくものとする。出社・退社の時刻は,コアタイムの前後何時間かの範囲で自由に決めることができるので,従業員各自の生活や体調に合せて勤務時間帯を調整することが可能になるが,本人の自己管理能力も強く要求されることになる。特に研究開発部門や営業企画部門などで多く利用されている。

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