フローラ(読み)ふろーら(英語表記)Francesco Flora

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フローラ」の意味・わかりやすい解説

フローラ
Flora, Francesco

[生]1891.10.27. コッレサンニータ
[没]1962. ボローニャ
イタリアの批評家。雑誌『クリティカ』の編集主幹をつとめ,『近代文学』 Letteratura moderneを創刊。未来主義やダンヌンツィオの影響を受け,クローチェの理想主義的美学を根底にして,詩の音楽性や形式に重点をおいた批評活動を展開。主著『ロマン主義から未来主義へ』 Dal romanticismo al futurismo (1921) ,『イタリア文学史』 Storia della letteratura italiana (40~42) ,『レオパルディの詩学と詩』 Poetica e poesia di Giacomo Leopardi (49~50) ,『イタリア現代作家論』 Scrittori italiani contemporanei (52) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フローラ」の意味・わかりやすい解説

フローラ(女神)
ふろーら
Flora

古代ローマの花と豊穣(ほうじょう)の女神オウィディウスの『祭暦』Fastiによれば、彼女はもともとクロリスChlorisという名のギリシアニンフであったが、西風ゼフィロスに求愛されてすべての花を支配する力を与えられたという。彼女は古くから崇拝され、花と花による実りを守護した。その祭礼「フローラリア」では、豊作を祈る祭りにふさわしく、陽気でしかも卑猥(ひわい)な行事「フローラリア祝祭劇」が催された。またその神殿は、パラティンの丘にあったという。

[伊藤照夫]


フローラ(Francesco Flora)
ふろーら
Francesco Flora
(1891―1962)

イタリアの文芸評論家。B・クローチェの影響下に書かれた『ロマン派から未来派へ』(1921)が処女作。ファシズム期には『ラ・クリーティカ』誌の編集長を務め、反体制的姿勢により教職を追われる。1952年からボローニャ大学文学部教授。主著は『20世紀の文化』(1934)、『現代詩学論考』(1949)、彼の評論活動の集大成ともいうべき『イタリア文学史』全五巻(初版1940、決定版1962)などである。

[鷲平京子]

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