インドネシア,西スマトラ州アガム県の県都。同州第2の都市。人口7万(1980)で,大多数はミナンカバウ族であるが,小規模な中国人街もある。西海岸より90kmほど内陸に入った,標高900m以上の地点に位置する。気候は涼しく,美しい景観に恵まれている。ミナンカバウ文化の伝統的中心地の一つで,かつてはクライ・リマ・ジョロンと呼ばれ,ミナンカバウでも古いナガリ(ムラ)である。パドリ戦争に軍事介入したオランダは,1825年に要塞フォルト・デ・コックFort de Kockをこの地に築いた。以後,西スマトラ内陸部の行政,教育,経済,交通の要衝として今日にいたっている。 執筆者:加藤 剛