デンマークの女流小説家。早くから詩や批評を書き、従兄(いとこ)のブリクセン男爵と結婚、ついでアフリカのケニアに渡り、夫と離別。独力で17年間コーヒー園を経営、原住民には信望があったが、結局事業に失敗してから本格的に小説に転じ、初めアイザック・ディネセンという男性の筆名で英語で書き、英米で知られた(ディネセンは生家の姓)。生活も特異だが作品も異色に富み、好んで怪奇な題材を極度に洗練された知的文章で描く。『七つのゴシック小説』(1934)、『冬のメルヘン』(1942)のほか、アフリカ時代の記録『アフリカの農園』(1937)、『草の上の影』(1960)など。20世紀を代表する優れた作家の1人で、何度かノーベル文学賞の有力候補になった。
[山室 静]
『山室静訳『ノルダーナイの大洪水』(1970・新潮社)』▽『横山貞子訳『ディネセン・コレクション』四巻(1981・晶文社)』
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