日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブリッジマン」の意味・わかりやすい解説
ブリッジマン
ぶりっじまん
Percy Williams Bridgman
(1882―1961)
アメリカの物理学者。高圧物理のほか科学哲学の分野の業績で知られている。マサチューセッツの著述家の子で、ハーバード大学を卒業、引き続いて同大学で学位を取得、物理の研究生を経て教職につき、1926年に数学と理学の教授に就任した。1908年ごろから高圧の実験に着手し、水銀の電気抵抗で圧力を測るゲージの開発を始め、自緊方式(発生させようとする高圧それ自体がパッキングを締め付ける方式)の高圧発生方法の実用化や、マンガニンの抵抗でひずみ(ひいては圧力)を測るゲージの汎用(はんよう)化に成功、以後、高圧研究をリードし、その功により1946年ノーベル物理学賞を受けた。
一方、物理量の次元の問題から物理学上の概念や論理の問題まで根本的に再考察し、ある概念はそれに対応する一連の操作と同義だとする見解を述べ、科学哲学に一石を投じた。ただし、この見解が操作主義の名で教条化されることを、彼自身は好まなかった。
[高田誠二]