日本大百科全書(ニッポニカ) 「プラット修正」の意味・わかりやすい解説
プラット修正
ぷらっとしゅうせい
1903年から34年までキューバ、アメリカ関係の基本となった条項。アメリカ上院キューバ関係委員会議長のプラットOrville Hitchcock Platt(1827―1905)議員が、アメリカ陸軍特別会計支出予算案への追加修正として提出し承認された(1901)条項のため、この名がある。アメリカ・スペイン戦争開戦にあたってアメリカはキューバの独立を公約したが、戦後の軍政(1899~1903)下でキューバ独立後の両国の関係が問題となり、アメリカはプラット修正を一方的に決定し、キューバ国民の反対を押さえて、それをキューバ共和国憲法に組み入れ、キューバ独立後、正式に条約化した(1903)。
条項は8条からなり、キューバ領土の第三国への割譲および財政能力を超える国家債務の禁止、キューバの独立の保持および生命・財産・個人的自由を保護する能力のある政府を維持するためのアメリカの介入権の承認、海軍基地のアメリカへの売却ないし租借、などを内容としており、キューバを事実上保護国化するものであった。1934年廃止。
[高橋 章]