ベントゥーリ(読み)べんとぅーり(英語表記)Adolfo Venturi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベントゥーリ」の意味・わかりやすい解説

ベントゥーリ
べんとぅーり
Adolfo Venturi
(1856―1941)

イタリアの美術史学者。北イタリアのモデナ出身。モデナ画廊理事を務め、その後、ローマ大学教授、またイタリア最大の美術雑誌『ラルテ』を創刊ルネサンス美術の巨匠たちについての著書があるが、最大の業績は『イタリア美術史』全25巻(1901~40)を執筆したことである。

 その息子がリオネロ・ベントゥーリLionello Venturi(1885―1961)で、父の後を継いだ。ローマ大学で学び、のちトリノ大学で教えていたが、ファシストに追われてフランスに、ついでアメリカに亡命戦後帰国してローマ大学教授となる。ルネサンス美術のほか、印象派や現代の美術に関する研究も進めた。邦訳されている著書に『近代画家論』(1941)、『絵画鑑賞入門』(1948)、『現代絵画』などのほか、クローチェの影響がうかがえる『美術批評史』(1945)がある。

鹿島 享]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベントゥーリ」の意味・わかりやすい解説

ベントゥーリ
Venturi, Lionello

[生]1885.4.25. モデナ
[没]1961.8.15. ローマ
イタリアの美術史家。 A.ベントゥーリの子。 22歳でローマ大学の学位を取得,24歳でベネチアの美術学校,ローマのボルゲーゼ美術館の副監督官,30歳でウルビノの国立美術館の主事。その後 17年間トリノ大学美術史教授。 1940年以後アメリカ,メキシコ,イギリス,フランスの各大学で客員教授,45~55年ローマ大学近代美術史教授。専攻はイタリアを中心としたヨーロッパの近世の美術史。主著『美術批評史』 Stòria della critica d'arte (1936) ,『イタリア絵画』 Italian Painting; La peinture italienne (3巻,50~52) 。

ベントゥーリ
Venturi, Adolfo

[生]1856.9.4. モデナ
[没]1941.10.10. ジェノバ
イタリアの美術史家。ローマ大学美術史教授。美術誌『ラルテ』の創刊者。主著『イタリア美術史』 Stòria dell'arte Italiana (1901~36) 。

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