ペルガモン美術館(読み)ぺるがもんびじゅつかん(英語表記)Pergamonmuseum

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペルガモン美術館」の意味・わかりやすい解説

ペルガモン美術館
ぺるがもんびじゅつかん
Pergamonmuseum

ベルリンにある国立美術館。シュプレー川の中の島、通称「博物館島」Museumsinselにある。この地にはほかにボーデ美術館(旧カイザー・フリードリヒ美術館)、国立美術館、同旧館などがあるが、その中心的存在。旧プロイセン王国の国立美術館創立100周年にあたる1830年、ベルリン国立美術館の本館として完成した。ペルガモン美術館はこの建物の通称で、このなかに、中近東美術館、古代ギリシアローマ美術館、イスラム美術館、東アジア美術館、民族博物館が入っている。第二次世界大戦後のベルリン東西分裂後、疎開作品の一部は西側のダーレム美術館シャルロッテンブルク宮殿などに移ったが、主要な所蔵品はとどまった。

 古代オリエント、古代ギリシア・ローマの美術・考古遺品などに逸品をそろえた世界屈指の美術館で、館内には、彩釉煉瓦(さいゆうれんが)を積んだバビロニアのイシュタル門(前6世紀)をはじめ、またこの館の名称の由来ともなっているヘレニスティック期を代表する彫刻群をもつペルガモンの「ゼウス神殿の大祭壇」など、大規模な発掘遺構が復原されている。

[湊 典子]

 東西ドイツ統一後、ベルリンの国立博物館群は整理統合され、2009年現在、ペルガモン美術館内には、イスラム美術館、オリエント博物館があり、また、ギリシア、ローマの彫刻など古典古代コレクションの一部も展示されている。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペルガモン美術館」の意味・わかりやすい解説

ペルガモン美術館
ペルガモンびじゅつかん
Pergamon-museum, Berlin

ドイツの美術館。ベルリン国立美術館に属する。古代美術収集館,中近東美術館,イスラム美術館,東アジア美術収集館などの部門から構成され,古代美術のコレクションとして世界でも屈指の内容を誇る。 1870年に始るドイツの学術調査隊による小アジアでの発掘出土品を中心とし,1930年に開館。戦争で多大の被害を受けたが 59年に再開した。数ある古代の名品のなかでも特に有名なのは,ヘレニズム時代の傑作ペルガモン祭壇』で,「神々と巨人戦い」の浮彫で飾られたフリーズを含む縦横約 40mの巨大なモニュメントがほとんどそのままの形で保存されている。その他,古代バビロニアの『イシュタル門』も世界的に知られる。

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