四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「ホルター心電図検査」の解説
ホルター心電図検査
小型装置を24時間身につけ、日常生活における脈の乱れや血流の変化をみる検査です。検査中の入浴やシャワーは禁止、電極を外してもいけません。
不整脈の発作、狭心症などの診断に有用
ホルター心電図は、小型で軽量な装置を身につけて、24時間持続的に心電図を記録し、脈の乱れや血液の流れの変化(虚血)をみる検査です。発作的に出現する不整脈や狭心症などの診断に有用です。
心電図を24時間記録することによって、日常生活のどんな場面で心臓に負担がかかっているのかを検出します。動悸や胸の痛みは一時的(一過性)なこともあり、症状が出現したときに検査をしないと、その変化をとらえることができないことがあります。そのため、症状が出現したときの心電図波形を記録して平静時と比較し、その変化を調べることはとても重要です。
不規則なR-R間隔……期外収縮
図は、階段を昇っていて急に胸がドキドキしたときの心電図波形です。R-R間隔は、症状がないときは一定ですが、この心電図ではその間隔が乱れています。これは、心臓が本来の規則正しい周期よりも早く収縮した状態で、期外収縮という不整脈の一種です。
■図 階段を昇っていて急に胸がドキドキしたときの心電図波形
就寝時も外さずに記録
検査のための特別な準備は必要ありません。イラストのように胸の5カ所にシール型の電極をつけます。ホルターカード入りのレコーダーをウエストポーチ型のケースに入れてマジックバンドで腰に止め、就寝時も外さずに24時間心電図を記録します。検査中の痛みはありません。
記録後、レコーダー内の波形をコンピュータ解析し診断します。くわえて、検査中の食事や生活の行動、症状の出現などを特定の用紙に記入し、解析時の参考にします。
装着時の入浴は禁止
ウエストポーチ(レコーダー)の重さは260g程度(名刺よりひと回り大きいくらい)なので、装着していても日常生活に不自由を感じることはなく、音楽プレーヤーを携帯したり、散歩したりすることもできます。
ただし、電極をつけている間(検査中)の入浴やシャワーは禁止です。また、電極部位にかゆみが出る場合もありますが、電極は外さないでください。就寝時はベルトを外してもかまいません。
疑われるおもな病気の追加検査は
◆狭心症→心臓超音波、冠動脈CT、冠動脈造影など
医師が使う一般用語
「ホルター」「ホルターエーカーゲー」
出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報