ポトフ(読み)ぽとふ(その他表記)pot-au-feu フランス語

デジタル大辞泉 「ポトフ」の意味・読み・例文・類語

ポトフ(〈フランス〉pot-au-feu)

《火に掛けた鍋の意》大きく切った肉や野菜香草を加えて煮込んだ、フランスの素朴な家庭料理

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精選版 日本国語大辞典 「ポトフ」の意味・読み・例文・類語

ポ‐ト‐フ

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] pot-au-feu 「火の上の鍋」の意 ) スープ鍋のこと。転じて、肉と野菜類を煮込んだスープ。
    1. [初出の実例]「フランス料理で、ポ・トオ・フウってのがあるの」(出典:バナナ(1959)〈獅子文六〉食補)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポトフ」の意味・わかりやすい解説

ポトフ
ぽとふ
pot-au-feu フランス語

ポトフとはフランス語で「火にかけた鍋(なべ)」という意味をもち、フランスの代表的な家庭料理の一つで、澄んだポタージュ一種である。鍋に塊のままの牛肉、野菜類、香辛料を入れて長時間煮込んだもので、煮汁をスープとして食べるだけでなく、いっしょに煮込んだ肉と野菜がメイン料理となり、2品の料理として食することができる。また漉(こ)した煮汁はほかの料理のブイヨンとしても用いられる。主材料となる牛肉は、おもにすね肉、かた肉、もも肉を用い、野菜類はニンジンタマネギカブセロリキャベツポロネギなどが使われる。ジャガイモなどデンプン質の多い野菜を用いると煮汁が濁るので避けたほうがよい。塊のままの肉と野菜に、香辛料としてブーケガルニを加えて長時間煮込み、ともに形は保ちながらごく柔らかい状態に仕上げる。煮汁は沸騰させると濁りやすいので、火加減は弱火を保つ。できあがりの煮汁は、漉して脱脂をしたうえで調味し、スープとする。肉と野菜は適当な大きさに切って大皿に色どりよく盛りつけ、粗塩(あらじお)、こしょう、マスタードピクルスホースラディッシュ(ワサビダイコン)などを薬味として添えてスープとともに供する。

[田中伶子]

『辻調理師専門学校監修『料理食材大図鑑 マルシェ』(1995・講談社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポトフ」の意味・わかりやすい解説

ポ・ト・フ
pot-au-feu

ポ (鍋) で煮たスープ,あるいはスープ鍋から出たフランス料理名。最も原始的なスープである。アメリカ式の野菜スープもポ・ト・フの一種といえよう。作り方は,国によって多少異なる。脂肪のある牛肉 (肩,胸,もも,腰など) と香草 (パセリの枝,月桂樹の葉,タイム,セロリ) と人参,玉ねぎ,かぶなどデンプン質の少い野菜を煮る。軟らかくなったら,肉と野菜を取出し,こしてスープを添える。肉には岩塩を添えるのが習慣で,ときにきゅうりのピクルス,芥子,西洋わさびを添える。鶏肉を用いればプール・オ・ポ poule au pot (鶏の鍋煮) というように,材料によって名前を変える。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「ポトフ」の解説

ポトフ【pot-au-feu(フランス)】

フランスの代表的な家庭料理の一つ。牛などの肉類・じゃがいも・にんじん・かぶ・たまねぎなどの野菜類を香草などとともに長時間煮込んだもの。汁は調味してスープとして、具は別盛りにして食べるのが一般的。◇「火にかけた鍋」という意。「ポトフー」ともいう。

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