日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポリオレフィン」の意味・わかりやすい解説
ポリオレフィン
ぽりおれふぃん
polyolefine
アルケン(一般式CnH2n、オレフィンともいう)の重合体(ポリマー)の一般名。エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレンなど比較的低分子量のオレフィンあるいはジオレフィンを重合させて得る。1分子中に二重結合を2個もつものをジオレフィンdiolefine、3個もつものをトリエンtriene、4個もつものをテトラエンtetraeneと称する。二重結合が単結合を挟んで2個ある共役二重結合をもったもの、たとえばブタジエンを適当な触媒の存在で重合させると、1,4-ポリブタジエン(ブタジエンゴム)を生成する。
イソプレンの立体規則性重合で天然ゴムと同じ構造のシス-1,4-ポリイソプレン(イソプレンゴム)も合成されている。これらの化合物を総称してポリオレフィンという。さらにオレフィンとビニルモノマーの共重合物まで含めることもある。いずれも広くプラスチック、合成ゴムなどに利用される。
[垣内 弘]
『R. J. Ehrig編著、プラスチックリサイクリング研究会訳『プラスチックリサイクリング――回収から再生まで』(1993・工業調査会)』▽『曽我和雄ほか著『重合プロセス技術――ポリオレフィン』(1994・大日本図書)』▽『日本化学会・高分子学会編『高分子添加剤の新展開――ポリオレフィンの機能化を中心に』(1998・日刊工業新聞社)』