日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポルトー・プランス」の意味・わかりやすい解説
ポルトー・プランス
ぽるとーぷらんす
Port-au-Prince
西インド諸島中部、ハイチの首都。イスパニョーラ島西部のゴナーブ湾岸に位置する港湾都市である。人口99万0558(1999)。後背地に肥沃(ひよく)な中央平野を控え、輸出総額の約50%を占めるコーヒーのほか砂糖、ボーキサイトなどを積み出す。同国の工業は未発達であるが、ここでは低賃金労働を利用したアメリカ向けの野球用品をはじめ、電機・電子部品、衣料品などの輸出用品の製造が行われる。近年、観光業の成長が目覚ましく、おもにアメリカからの観光客が多い。1749年フランス人によって建設され、18世紀世界最大の砂糖産地になったフランス植民地サン・ドマングの拠点として発展し、当時はロスピタルとよばれた。1804年ハイチ独立後は首都となり、1811年現名に改称。ハイチ大学、民族舞踊で名高いベルドゥール劇場の所在地。国際空港は3キロメートル郊外にある。
[栗原尚子]