マグヌス効果(読み)まぐぬすこうか(英語表記)Magnus effect

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マグヌス効果」の意味・わかりやすい解説

マグヌス効果
まぐぬすこうか
Magnus effect

回転している円柱直角に流れが当たると、円柱は流れに直角方向の力を受ける。この現象は、自転しながら飛行する砲弾が鉛直面からずれる現象を説明するために、1852年に、ドイツマグヌスHeinrich Gustav Magnus(1802―1870)によって初めて実験的に研究されたのでマグヌス効果とよばれる。理論的にはクッタ‐ジュコフスキーの定理によって説明される。円柱に限らず球のような三次元的な物体が回転する場合でも、流れと回転軸両方に直角な方向に力が働く。野球ボールカーブするのはその例である。

[今井 功]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マグヌス効果」の意味・わかりやすい解説

マグヌス効果
マグヌスこうか
Magnus effect

回転している物体に,回転軸と直角方向に流れが当るとき,物体は流れの速度および回転軸に直角の方向に力を受ける。これをマグヌス効果という。時計回りに回転する物体に左方から流れが当るとき,力は上向きに働き,力の大きさは速度および回転角速度に比例する。野球ボールのカーブはこの力によって起る。 1852年に H.G.マグヌスが砲弾の運動に関して初めてこの現象を研究したので,この名がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報