精選版 日本国語大辞典 「まさか」の意味・読み・例文・類語
まさ‐か
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- [ 2 ] 〘 副詞 〙
- ① ( 打消や反語の表現を伴って ) そういう事態はなかなかありえないこと、また実現がむずかしいことを強調する語。よもや。いくらなんでも。→まさかに。
- [初出の実例]「是でなければまさか人は斬れぬ」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)二)
- 「まさか左様した理屈もあるめへ」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)五)
- ② まさにその状態であることを肯定して、強調する。まさしく。いつわりなく。本当に。→まさかに。
- [初出の実例]「森羅万象かんで含るやうに出来てあれど、まさか覚(おぼえ)ようといふ心のものが少い」(出典:滑稽本・古朽木(1780)一)
- ③ 強く否定する応答語として、語尾を強めて単独に用いる。いやいやとんでもない。
- ① ( 打消や反語の表現を伴って ) そういう事態はなかなかありえないこと、また実現がむずかしいことを強調する語。よもや。いくらなんでも。→まさかに。
まさかの語誌
( 1 )「ま」は「め(目)」の交替形で、「目前(まさき)」の転とする説もあるが、「まさき」の例は確認できない。語基「まさ(正)」に「か」が接したものかと思われる。「か」は、「すみか(住処)」などと同じく場所を表わす語とも、情態性の語を形成する接尾語とも見られる。
( 2 )[ 二 ]のような副詞用法の確例は近世に入ってから認められる。