日本大百科全書(ニッポニカ) 「マシュハド」の意味・わかりやすい解説
マシュハド
ましゅはど
Mashhad
イラン北東部、ホラサーン州の州都。標高985メートルに位置する。外国人はメシェッドMeshedともよぶ。人口188万7405(1996)、300万1184(2016センサス)、首都テヘランに次ぐ同国第二の都市である。肥沃(ひよく)な農業地域の中心地で、綿紡績、じゅうたん、食品加工などの工業が立地し、テヘランへ向かう鉄道の始発点である。818年にこの地で毒殺されたシーア派第8代イマーム・レザーの廟(びょう)がつくられ、シーア派教徒の巡礼地となった。地名は「(イマームの)殉教の地」を意味する。多くの神学校やモスクがあり、コムとともに神学の中心地である。かつては小村にすぎなかったが、ティームール朝、サファビー朝下で発展し、アフシャール朝の初代皇帝ナーディル・シャー(在位1736~47)のときには事実上の首都となった。多数の歴史的建造物がある。
[岡﨑正孝]