また逢う日まで(読み)マタアウヒマデ

デジタル大辞泉 「また逢う日まで」の意味・読み・例文・類語

またあうひまで〔またあふひまで〕【また逢う日まで】

今井正監督による映画題名。昭和25年(1950)公開戦時中若者たち悲恋を描く。窓ガラス越しのキスシーンが有名出演岡田英次久我美子ほか。第24回キネマ旬報ベストテン日本映画ベストワン作品。第5回毎日映画コンクール日本映画大賞受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「また逢う日まで」の意味・わかりやすい解説

また逢う日まで
またあうひまで

日本映画。1950年(昭和25)。今井正(いまいただし)監督。東宝争議終了後の製作再開第2作目。フランスの小説家ロマン・ロランの『ピエールとリュース』をもと水木洋子(みずきようこ)、八住利雄(やすみとしお)(1903―1991)が脚色戦争末期、空襲下の東京の地下鉄ホームで、大学生の田島三郎(岡田英次(おかだえいじ)、1920―1995)は画学生の小野螢子(久我美子(くがよしこ)、1931―2024)に出会う。2人は偶然再会し逢瀬(おうせ)を重ねるが、やがて三郎に赤紙(召集令状)がくる。螢子は約束した駅で待っているが、そこへ空爆の音がとどろく。螢子が亡くなったことも知らずに三郎は出征する。螢子の描いた三郎の肖像画は戦後まで残った。それは二人の愛と死を象徴してせつない。外にいる三郎が窓の内側の螢子とガラス越しに接吻(せっぷん)する場面は、その哀切さで観客を熱狂させた。戦争の残酷さや軍国主義の愚かさと対比的に、若い男女の純愛を描き出し、多くの支持を集めた。久我美子と岡田英次はこの映画を機に演技に目覚め、スターへの道を歩み始める。今井正の評価は『青い山脈』(1949)に次いで高まった。キネマ旬報ベスト・テン第1位。

[坂尻昌平]

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デジタル大辞泉プラス 「また逢う日まで」の解説

また逢う日まで〔映画〕

1950年公開の日本映画。監督:今井正、脚本:水木洋子、八住利雄。出演:岡田英次、滝沢修、河野秋武、風見章子、久我美子、杉村春子ほか。第24回キネマ旬報ベスト・テンの日本映画ベスト・ワン作品。第5回毎日映画コンクール日本映画大賞受賞。第1回ブルーリボン賞作品賞、監督賞受賞。

また逢う日まで〔曲名〕

日本のポピュラー音楽。歌は男性歌手、尾崎紀世彦。1971年発売。作詞:阿久悠、作曲:筒美京平。第13回日本レコード大賞受賞。同年オリコン年間シングルチャート第3位。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「また逢う日まで」の意味・わかりやすい解説

また逢う日まで
またあうひまで

日本映画。 1950年東宝作品。監督今井正。脚本八住利雄,水木洋子。出演岡田英次,久我美子。ロマン・ロランの『ピエールとリュース』をもとに,若い愛を無残に引裂く戦争への呪いを,独特のリリシズムをもって描いた作品。

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