マネシツグミ(読み)まねしつぐみ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マネシツグミ」の意味・わかりやすい解説

マネシツグミ
Mimus polyglottos; northern mockingbird

スズメ目マネシツグミ科全長 20.5~28cm。頭上から背,灰色で,翼には白帯がある。喉から腹は白色。風切は黒く,尾羽は外側の数対が白く,ほかは黒色。200種以上の鳥のほかネコ,イヌなどの動物の鳴き声,車の警笛などの機械音をまね,それらを組み合わせてさえずることが知られている(→さえずり)。これは雌雄とも行なう。北アメリカの中部以南,メキシコ西インド諸島に分布する。マネシツグミMimidaeは約 30種からなり,全長 20~30cm。体のわりに翼は短く,尾羽は長めである。羽色は特に派手なものはなく,褐色や灰色のものが多い。一部の種はほかの鳥や動物の鳴き声,無生物の音をまねる。南北アメリカ大陸,西インド諸島とガラパゴス諸島に分布する。市街地の公園や庭園の林,農耕地,疎林などに生息するが,高地草原熱帯雨林にすむ種もいる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マネシツグミ」の意味・わかりやすい解説

マネシツグミ
まねしつぐみ

広義には鳥綱スズメ目マネシツグミ科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。この科Mimidaeには30種が知られ、英名thrasher(ツグミモドキ属)、mockingbird(マネシツグミ属など)という仲間が含まれる。北アメリカから南アメリカにかけて分布し、北部のものを除くと留鳥である。全長20~30センチメートル。いずれも美声であるうえ、他の動物や鳥、物音などをまねることが巧みなのでこの名がある。ツグミに近似で、大形ミソサザイにも似ており、その中間の形をし、尾が長めである。

 種のマネシツグミMimus polyglottosは、北アメリカ南部、メキシコなどに分布し、森林、庭、農園など木の茂った所にすむ。他の動物の声や物音を実によくまねる。全長27センチメートル。背面は灰色で、下面は白色をしている。翼と尾に白い斑点(はんてん)がある。昆虫類のほか、果実もよく食べる。

[柳澤紀夫]

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