改訂新版 世界大百科事典 「マンデス」の意味・わかりやすい解説
マンデス
Catulle Mendès
生没年:1841-1909
フランスの詩人。1861年に《ルビュ・ファンテジスト》誌を発刊,さらにL.X.ド・リカールと協力して66年第1次《現代高踏詩集》を編集,高踏派の形成に力を尽くした(1869,76年の第2次・第3次の企画にも協力)。代表的な詩集は《フィロメラ,抒情の書》(1864)。高踏派的な彫琢を凝らした中に珍貴なものへの彼の嗜好が認められる。R.ワーグナーに心酔した彼は自らも《イゾリーヌ》(1880)などのオペラ台本を手がけ,さらに《スカロン》(1905)などの戯曲で成功し流行作家となった。独創的な詩人とは言えぬが多才であり,60年代から常にフランス詩壇の中央にあって文学史的資料として貴重な《現代高踏詩集の伝説》(1884),《1867年より1900年にいたるフランス詩の動向》(1903)を書き残した。
執筆者:松室 三郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報