ミソハギ(読み)みそはぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミソハギ」の意味・わかりやすい解説

ミソハギ
みそはぎ / 禊萩
[学] Lythrum anceps (Koehne) Makino

ミソハギ科(APG分類:ミソハギ科)の多年草。全草無毛。茎は高さ0.5~1メートルで4条がある。葉は無柄で対生し、広披針(こうひしん)形で長さ2~6センチメートル、幅0.6~1.5センチメートル、先はとがり、基部は茎を抱かない。8月、長さ20~30センチメートルの穂状花序をつくり、包葉のわきに長さ6~7ミリメートルの紅紫色花を1~3個開く。柄はごく短く、花弁は6枚。萼筒(がくとう)は長さ5~8ミリメートルで12脈があり、縁(へり)に三角状の歯牙(しが)が6個あり、その間に細針状の付属体がある。雄しべは12本、花柱は1本。包葉は縁にだけ毛状突起がある。浅い流れの傍ら湿地に群生し、本州から九州、および朝鮮半島に分布する。名は、禊(みそぎ)ハギの意味で、盂蘭盆会(うらぼんえ)で仏前供物に水を注ぐのに花穂を使うため、ボンバナともよんで親しまれる。

 ミソハギ属は熱帯および温帯に約35種分布し、ヨーロッパには観賞用として栽培されるものが多い。

[小林純子 2020年8月20日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミソハギ」の意味・わかりやすい解説

ミソハギ(禊萩)
ミソハギ
Lythrum anceps; loosestrife

ミソハギ科の多年草。日本および朝鮮半島の暖温帯に分布し,野原山麓の湿地に生える。茎は地下茎から直立して高さ 1mに達し,葉とともに毛はない。葉は披針形ないし広披針形でほとんど柄がなく,対生する。夏から初秋にかけて,葉腋に少数の紅紫色の小花をつける。萼筒には縦に 12本の稜があり上部で6片に裂ける。花弁は6枚あり,おしべは 12本で長短がある。包葉は長楕円形で縁にだけ毛状の突起がある。果実は 蒴果で宿存性の萼に包まれる。近縁種のエゾミソハギ L. salicariaは本種に比して全体に短毛をもち,茶の代用にされ,観賞用の栽培品種もつくられている。旧大陸の温帯から暖帯に広く分布し,日本でも北海道と本州中部以北にみられ,北アメリカにも帰化している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ぐんまちゃん

群馬県のマスコットキャラクター。人間だと7歳ぐらいのポニーとの設定。1994年の第3回全国知的障害者スポーツ大会(ゆうあいピック群馬大会)で「ゆうまちゃん」として誕生。2008年にぐんまちゃんに改名...

ぐんまちゃんの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android