メシエ(読み)めしえ(英語表記)Charles Messier

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メシエ」の意味・わかりやすい解説

メシエ
めしえ
Charles Messier
(1730―1817)

フランス天文学者星雲星団目録の最初の作成者。ロレーヌ地方の出身で、1751年パリに出て、天文学者ドリールJoseph-Nicolas Delisle(1688―1768)の観測所に雇われ記録係を務めた。ハリー彗星(すいせい)の近日点通過が予言されていた1759年、ドリールの指示によってその観測にあたり、以来、彗星の発見と観測に打ち込む。1760年ドリール引退後、実権を得て、21個の彗星を観測し、うち15個は彼自身の発見とされる。1764年王立協会会員となり、1770年にはフランスほか数か国のアカデミー会員に列せられた。また、彗星に見違えやすい天体、つまり星雲と星団を選別するためにその目録(メシエ・カタログ)を作成し、1771年には45個、1786年までに計109個を登録した。この記載ではたとえばM1がおうし座かに星雲である。

[島村福太郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メシエ」の意味・わかりやすい解説

メシエ
Messier, Charles

[生]1730.6.26. バドンビエ
[没]1817.4.12. パリ
フランスの天文学者。幼くして父を亡くし,パリに出て 1751年天文学者ジョゼフ=ニコラ・ドリルに仕える。1755年からオテル・ド・クリュニ天文台の雇員として観測に従事。1759~98年,十数個の彗星の新発見によって名声を博し,その功により 1764年ロンドンのロイヤル・ソサエティ会員に,さらにベルリンペテルブルグのアカデミー会員に選ばれる。1770年パリ科学アカデミー会員,次いでスウェーデンおよびオランダの科学アカデミー会員にもなる。1806年レジオン・ドヌール勲章を受章。彗星観測のほか,多くの星雲の発見でも知られる。彗星と紛らわしい 100個余りの星雲状天体の表をつくり,メシエカタログとして出版した。メシエカタログには多数の星雲,星団,超新星残骸銀河が含まれている。

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