モイル(その他表記)Moyle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モイル」の意味・わかりやすい解説

モイル
Moyle

イギリス,北アイルランド北部の地区(district council area)。行政府所在地バリカッスル。旧アントリム県に属する。1973年の自治体再編でアイルランド島北岸の地区として設置され,北アイルランドで唯一人が住む島であるラスリン島を含む。全長 68kmにわたり,緑豊かな峡谷に切り開かれた入江や岬,玄武岩の切り立つ崖が続く。東部一帯にはアントリム高原が広がり,標高 554mのトロスタン山をピークに,西部の起伏のある荒野の高地へと下降する。地名は北アイルランドとスコットランドの間の海峡の旧名「モイル海峡」に由来する。北方の沖合 5kmに浮かぶラスリン島には,1306年にスコットランド系アイルランド人の指導者ロバート1世ブルースが身を隠したと伝えられる洞窟がある。ジャガイモやカラスムギ,オオムギが栽培され,家畜(おもにヒツジ)も飼育されているが,最も重要な産業は観光業である。特別自然美観地域として厳しい保護政策がとられており,ほかの産業は大幅に制限されている。北アイルランドの有名な地形のうちの二つがこの地区にある。一つは,大半が六角形をした約 4万本の玄武岩の石柱群が海岸沿いに連なるジャイアンツ・コーズウェー(「巨人の石道」の意。→コーズウェー海岸),もう一つはアントリム渓谷を構成する九つの谷のうちの五つである。バリカッスル湾に臨む漁港であり人気保養地でもあるバリカッスルは交易の中心地。西部では石灰石が採掘され,地区西端のブッシュミルズにはアイリッシュウイスキーの古い蒸留所がある。面積 494km2。人口 1万6424(2004推計)。

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