ベラルーシ共和国東部の同名州の州都。人口36万6873(2004)。共和国中央部東寄りに広がるオルシャ・モギリョフ平野に位置し,ドニエプル川に臨む。水陸交通の要地である。市名は古代墓地〈モギーリニクmogil'nik〉がこの地域にあったことに由来すると考えられている。史料的に確認できるのは比較的遅く,13世紀になってからである。当時はキエフ大公国(キエフ・ロシア)の支配下にあったが,のちビテプスク公国,リトアニア大公国,ポーランド王国を経て,1772年の第1次ポーランド分割でロシア帝国領となった。14世紀から手工業者と商人の町として栄え,特に16世紀から18世紀にかけては皮革業を中心に急速に発展した。19世紀には製陶・タイル工業も発達し,のちにベラルーシ共和国となる地域では最大の商工業都市となった。現在も共和国有数の工業都市で,特に金属加工,機械,建築資材,合成繊維などの工業が発達している。17世紀のバロック建築のニコライ教会がある。
執筆者:横手 慎二
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ベラルーシ(白ロシア)共和国モギリョフ州の州都。同共和国首都ミンスクの東180キロメートルに位置する。マヒリョウともいう。人口37万1400(1998)、38万1353(2018推計)。町の主要部はドニエプル川右岸に発達している。道路、鉄道が集中し、河港をもつ交通上の要地。1267年に要塞(ようさい)として建設され、リトアニア支配下の1526年に町となり、ポーランドの支配を経て、1772年にロシア領となった。建設機械、化学繊維、金属加工、食品工業が盛ん。17世紀、バロック様式の聖ニコライ教会など古い建造物が多く残る。
[山本 茂]
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