もさ(読み)モサ

デジタル大辞泉の解説

もさ[名]

《言葉の終わりに「もさ」と付けるところから》関東人をあざけっていう語。転じて、いなかもの。
「やい―め、この女郎こっちへもらふ」〈浄・油地獄

もさ[間助]

[間助]《「申さん」の音変化か。近世の関東語》文末にあって親愛の気持ちを表す。
「霞む祇園の恋しいぞ―」〈奴俳諧

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大辞林 第三版の解説

もさ

( 名 )
〔言葉の終わりに「もさ」と付けたことから〕 関東者を卑しめていう語。また、転じて田舎者のこと。 「やい-め、此の女郎こつちへ貰ふ/浄瑠璃・油地獄
( 間投助 )
〔「申さん」の転という。近世東国語〕 文節末にあって、親愛の気持ちをこめて言い表す。 「こりや、おいとさん、早くおざんねえか。徒然とぜんだ-/洒落本・世説新語茶」 〔江戸では、奴詞やつこことばとしても用いられた。「霞祇遠のこひしいぞ-、ぬるつこき清水あびて神祈り/奴俳諧」〕

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精選版 日本国語大辞典の解説

もさ

〘名〙 木の串(くし)を使って早く一定の形に並べる子どもの遊び。十六六指(じゅうろくむさし)の系統に属するもの。

もさ

〘名〙 盗人・てきや仲間の隠語。
(イ) 腹をいう。〔隠語輯覧(1915)〕
※いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉四「モサ(腹)立った俺は、矢萩のかわりにこの四・五・六を殺したくなった」
(ロ) 度胸をいう。〔特殊語百科辞典(1931)〕
※いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉四「俺のことか。モサナシ(度胸がない)とは俺のことか」
(ハ) 掏摸(すり)、掏摸の常習者をいう。〔日本隠語集(1892)〕
※彼女とゴミ箱(1931)〈一瀬直行〉電線と掏摸「モサ(掏摸)の手許を狂はせさせないところから」

もさ

[1] 〘間投助〙 (「申さん」の変化したものという) 文節末にあって親愛の気持をこめる。近世の関東方言。
俳諧・やつこはいかい(1667)「霞祇遠のこいしいぞもさ ぬるっこき清水あびて神祈り」
[2] 〘名〙
① (ことばの終わりに「もさ」という語を付けたところからいう) 関東の人をあざけっていう語。転じて、田舎者。また、やぼな人をあざけってもいう。
仮名草子可笑記(1642)四「肥とりもさといへる者痩せたる馬に大きなる桶二つつけて」
② 巡礼のこと。
雑俳・西国船(1702)「あたたかな・金出す順礼(モサ)が真懐」
[補注](一)は「歌舞妓年代記‐元祿元年」によると、中村伝九郎という役者が元祿年間(一六八八‐一七〇四)に朝比奈の役をつとめるにあたり、乳母の常陸弁をまねて「性はりな子だアもさア、いふことをお聞きやりもふさねへと、ちいちいに喰(かま)せるよ」と初めて歌舞伎の台詞の中に取り入れ、これが評判となって後に奴詞として定着したという。

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