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時効硬化 じこうこうか age-hardening

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

時効硬化
じこうこうか
age-hardening

合金を焼入れしたのち,適当な温度にある時間放置しておくと硬くなる現象。金属は通常,高温なほど溶質の溶解度が上がるため,高温に保持した合金を急冷すると過飽和な状態を得ることができる。このような状態の合金を原子の拡散が可能な温度にある時間保持すると,過飽和に蓄えられていた溶質が集合しはじめる。

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デジタル大辞泉の解説

じこう‐こうか〔ジカウカウクワ〕【時効硬化】

熱処理および加工などによって不安定状態にある金属の性質が、時間の経過とともに変化し、硬度を増す現象。

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百科事典マイペディアの解説

時効硬化【じこうこうか】

金属,合金のある性質が時間の経過とともに変化する現象を時効といい,多くの場合にみられるのが時効により硬化する現象でこれを時効硬化という。常温で進行する自然時効と,加熱の後に起こる人工時効高温時効)とがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

時効硬化
じこうこうか
age hardening

金属材料を急速に冷却した場合には材料内部に不安定な組織が生じ、これを常温で放置したり、または常温より高い温度に長時間保っておくと、安定な組織や状態に移行しようとして材料の性質が変化する現象がある。この現象あるいはこの現象を生じさせる操作を時効といい、そのなかで時間の経過によって金属材料の硬さが増すものが時効硬化である。この硬化が常温で放置してもおこる場合を常温時効または自然時効といい、いくらか加熱する必要のある場合を高温時効または人工時効という。
 金属材料の内部組織が不安定な状態にあって安定な状態に移行しようとするとき、金属の結晶中で原子が動くことになる。それには熱エネルギーが必要であり、常温でも十分であれば常温時効がおこるが、いくらか加熱することで金属中の原子の移動が可能になる場合が人工時効である。
 時効硬化の現象は20世紀初めにドイツ人ウィルムにより発見された。彼はアルミニウム合金(ジュラルミン)を鋼と同じように焼入れしようとして失敗したが、その副産物としてこの現象をみいだした。ジュラルミンの時効硬化は常温でおこり、夏季で2~3日、冬季でも1週間ぐらいで相当硬化する。時効硬化が常温でおこるものはアルミニウム合金や鉛合金など融点の低い金属の合金であり、銅合金では加熱により時効硬化がおこる。人工時効硬化の場合には、一定に保たれる温度により硬化の過程や最終硬さの値が異なる。また、硬化に伴って材料の強さ(引張り強さや疲れ強さ)がどのように変化するかは人工時効を行ううえで重要な事柄である。[林 邦夫]

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世界大百科事典内の時効硬化の言及

【ジュラルミン】より

…鋼は高温に加熱し,水や油に焼き入れることにより硬化するので,ウィルムは同様のことをアルミニウム合金で企てたが,焼入れすると反対に軟らかくなったので,そのまま放置したところ2~3日で著しく硬化したことを発見し,おおいに驚いたといわれる。これが時効硬化(析出硬化)という合金の重要な強化法の発見である。熱処理によって軽いアルミニウムに鋼と同様な強さを与えることができるようになったことから,航空機の材料として注目され,第1次から第2次大戦にいたる間の航空機の発達を支え,この合金もそれとともに改良されてきた。…

【析出硬化】より

…このように時間の経過に伴って性質の変化することを時効ageingといい,そのような熱処理を時効処理と称する。時効処理によって合金が硬化する場合が時効硬化age‐hardeningである。時効硬化は析出硬化と同義の用いられ方をすることが多いが,時効硬化は合金の性質変化に注目しているので,内容的にはより広い言葉である。…

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