ヤンボル(読み)やんぼる(その他表記)Jambol

デジタル大辞泉 「ヤンボル」の意味・読み・例文・類語

ヤンボル(Yambol/Ямбол)

ブルガリア中東部の都市。ブルガスの西約90キロメートル、トゥンジャ川沿いに位置する。古代ローマ皇帝ディオクレチアヌス帝時代にディオスポリスと呼ばれる城塞都市が造られた。18世紀後半以降、繊維産業が盛ん。オスマン帝国時代のバザール劇場歴史博物館ほか郊外に古代トラキア人の集落跡であるカビレ遺跡がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤンボル」の意味・わかりやすい解説

ヤンボル
やんぼる
Jambol

ブルガリア中東部、ヤンボル県の県都。上トラキア平原の北東部、トゥンジャ川沿いにあり、ブルガスの西約90キロメートルに位置する。人口8万2656(2001)。郊外に紀元前4世紀ごろ栄えたトラキア時代の都市カビレKabileがあり、紀元後2~3世紀にローマ軍の駐屯地があった。705年にブルガリアに併合されてビザンティンに対する要塞(ようさい)となり、一帯軍事・行政的中心地として発展した。1372年にオスマン・トルコの支配下に入ると、一時衰退したが、15~16世紀に復興されて、今も残る有蓋(ゆうがい)市場が建てられた。18世紀後半には毛織物皮革などの産業と交易で栄えた。繊維産業が盛んで、20世紀初頭に綿紡績業、社会主義時代には化学繊維工業が始められた。また農業も盛んで、関連の食品産業や農業機械産業も発達している。市内には劇場と歴史博物館がある。

[寺島憲治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤンボル」の意味・わかりやすい解説

ヤンボル
Yambol

ブルガリア東部,ブルガス州の都市。ヤンボル平野の南端に位置し,トゥンジャ川の両岸にまたがる。農業中心地として,缶詰,植物油,製粉食肉酒造,たばこ加工,綿糸,綿織,製材などの産業が盛ん。市の北部には前4世紀にマケドニアフィリッポス2世の城塞が築かれた。 11~14世紀はディアムポリスと呼ばれた城塞都市で,ビザンチンとブルガリアの抗争の重要拠点であった。 1479年オスマン帝国領となりヤンボリと呼ばれた。人口9万 9225 (1991推計) 。

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