精選版 日本国語大辞典 「らしい」の意味・読み・例文・類語
らしい
〘助動〙 (活用は「〇・らしかっ、(らしゅう)、らしく・らしい・らしい・らしけれ・〇」らし 「らしから・らしかり、らしく・らし・らしかる、らしき・〇・〇」。体言・形容動詞の語幹、また、動詞・形容詞の終止形に付く。推量の助動詞。客観的な根拠に基づいた推量を表わす。伝聞による事実などが根拠になることもあり、また、根拠ある推量表現が婉曲な断定として用いられることもある) …と判断される様子である。…と思われる。
[語誌](1)中世後期に成立した接尾語「らしい」が近世以降に助動詞化したもの。成立については、上代から中古にかけて用いられた推量の助動詞「らし」と結び付ける説もある。しかし、「らし」は中古中期以降、口頭語では用いられず、古語として意識されていたことなどから疑問。
(2)仮定形「らしけれ」はほとんど用いられず、仮定表現には「らしかったら」「らしいなら」の形が用いられる。ただし、接尾語「らしい」では「男らしければ」のように「らしけれ」も用いられる。
(3)現代語「らしい」は、古典語「らし」とは違って「明日雨が降るらしい」のように未定の事実を対象とする推量にも用いられる。ただし、その場合でも「空模様があやしい」といった現在の事実を手がかりにする意味合いが強い。
(2)仮定形「らしけれ」はほとんど用いられず、仮定表現には「らしかったら」「らしいなら」の形が用いられる。ただし、接尾語「らしい」では「男らしければ」のように「らしけれ」も用いられる。
(3)現代語「らしい」は、古典語「らし」とは違って「明日雨が降るらしい」のように未定の事実を対象とする推量にも用いられる。ただし、その場合でも「空模様があやしい」といった現在の事実を手がかりにする意味合いが強い。
らし・い
[1] 〘接尾〙 (形容詞型活用) ら
し

(形容詞シク活型活用) 形容詞や形容動詞の語幹、名詞などに付いて、形容詞をつくる。近代では「わざとらしい」などのように副詞に付くこともある。いかにも…の様子である、…にふさわしい、…と感じられる、などの意を表わす。「あほうらしい」「男らしい」「にくらしい」など。
※歌舞伎・万歳丸(1694)一「『女さへ見ればびろびろと性のわるい、ちと嗜(たしな)ましゃれ』半之丞聞き『はて仔細らしい』」
[2] 〘形口〙 ((一)から転じて) いかにもそのようである。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報