ラナンキュラス(読み)らなんきゅらす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラナンキュラス」の意味・わかりやすい解説

ラナンキュラス
らなんきゅらす
[学] Ranunculus

キンポウゲ科(APG分類:キンポウゲ科)キンポウゲ属の総称一年草または多年草。北半球の寒冷地から温帯熱帯の山岳地に約550種が分布する。日本にはウマノアシガタ(キンポウゲ)やミヤマキンポウゲなど27種が野生する。園芸界でラナンキュラスの名で市販されるのは、本属のうちヨーロッパから西南アジア原産ハナキンポウゲR. asiaticus L.から改良された系統のものをさす。露地では4月下旬から5月上旬に開花し、赤、桃、橙(だいだい)、黄、白など多彩である。普通は一重の5弁であるが、数十弁の大輪花も多い。花茎は高さ30~50センチメートル。切り花、鉢植え花壇に利用される。酸性土を嫌い、また冬季に凍害を受けやすいので注意する。

[植村猶行 2020年3月18日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラナンキュラス」の意味・わかりやすい解説

ラナンキュラス
Ranunculus asiatica; Persian buttercup

キンポウゲ科の多年草で,南東ヨーロッパから南西アジアにかけての原産といわれる。ハナキンポウゲまたはハナキツネノボタンと呼ばれる。観賞用として普通に栽培され,根は塊茎状で,茎は高さ 20~30cm,花は長い柄の先に1~4輪つき,径3~4cmある。花色は原種では光沢のある黄色であるが,赤,白,ピンク,オレンジなどの園芸品種があり,八重咲きが普通である。アネモネに似ているが,花が平開せず半球形に開く。中央に多数のおしべがあり,葯 (やく) も黄色,褐色などさまざまである。花期は通常5~6月である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報