リベンジポルノ(読み)りべんじぽるの(その他表記)revenge porn

翻訳|revenge porn

デジタル大辞泉 「リベンジポルノ」の意味・読み・例文・類語

リベンジ‐ポルノ(revenge porn)

リベンジ復讐の意》元交際相手や元配偶者の性的な写真動画などを、インターネット上で不特定多数の人に公開する嫌がらせ

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共同通信ニュース用語解説 「リベンジポルノ」の解説

リベンジポルノ

元交際相手の裸などの写真を復讐ふくしゅう目的でインターネットなどに流出させること。東京・三鷹のストーカー殺人事件で広く知られるようになった。事件を契機にリベンジポルノ防止法議員立法で2014年11月に成立、施行された。被写体を特定できる方法で、個人的に撮った性的な写真や電子画像を不特定多数に提供した場合、3年以下の懲役か50万円以下の罰金を科す。拡散目的で少人数に提供した場合にも罰則がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リベンジポルノ」の意味・わかりやすい解説

リベンジポルノ
りべんじぽるの
revenge porn

別れた配偶者や恋人に対する嫌がらせ行為の一種。親密であったときに自ら撮影したり、相手からもらうなどして所持していた相手の下着姿や裸などのプライベートな写真や動画を、インターネット上に公開することや、公開されたデータそのものをさす。報復仕返しを意味するリベンジと、ポルノグラフィーを組み合わせた造語である。配偶者や恋人と別れた後に、一方的な怒りや恨みを抱き、根拠のない雑言を触れ回ることや、相手の名誉を傷つける嫌がらせをするなどの問題行為は以前からあった。しかし、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などに不特定多数の人が閲覧できる形で画像や動画が投稿された場合、流出を止めることも拡散してしまったデータを完全に抹消することもむずかしいため、問題は深刻化している。

 日本の現行法では、リベンジポルノの一部は、対象が18歳未満では児童ポルノ法(児童買春児童ポルノ処罰法)、それ以外は猥褻(わいせつ)物頒布罪やストーカー規制法の対象となる場合がある。しかし、法律が適用されても、流出したデータの回収やプライバシー侵害には十分に対処することはむずかしい。そこで、性的な画像や動画の流出を防ぐことを目的とした、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(平成26年法律第126号)が、2014年(平成26)に成立した。通称、リベンジポルノ防止法。同法の定める罰則は、(1)性的な写真や動画などを提供した者を罰する公表罪と、(2)そのような記録物などを公表する目的で提供した者を罰する公表目的提供罪の2種類があり、(1)は3年以下の懲役または50万円以下の罰金、(2)では1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる。ただし、被害者が刑事告訴しなければ、処罰の対象とはならない。また、データがインターネット上に配信された後でなければ適用されないといった点もあり、公開されてしまった場合には、削除要請や損害賠償請求などといった別の対処を検討する必要がある。

[編集部 2017年2月16日]

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知恵蔵 「リベンジポルノ」の解説

リベンジポルノ

別れた恋人や配偶者に対する報復として、交際時に撮影した相手方のわいせつな写真や映像を、インターネットなどで不特定多数に配布・公開する嫌がらせ行為及びその画像。
かつて親密であったが関係がこじれた結果、相手に対して恨みや害意を抱き何らかの復讐(ふくしゅう)や嫌がらせを行うことは、従来からしばしば散見された。これに伴う具体的な犯罪事実や不法行為があれば、当然にそれぞれに応じた法制度などによって抑止もしくは裁かれてきた。近年になって、報復の手段として「リベンジポルノ」が多発し、その影響が深刻化している。要因としては、インターネットや撮影機能のあるスマートフォンなどの普及により、個人の情報発信が容易になったことなどが挙げられる。2002年には、出会い系サイトで知り合った少女の写真を、インターネットに流出させた男が摘発され、「児童ポルノ公然陳列」と「名誉毀損(きそん)」で裁かれるという事件があった。このほか、元交際相手の裸の写真を掲載したり、公開すると脅して強要罪に問われたりという事件が相次いでいる。
現行法では、事案の内容により脅迫罪、強要罪、わいせつ物公然陳列罪、わいせつ電磁的記録媒体物頒布罪、名誉毀損罪などが適用される。しかしながら、プライバシーの侵害や「忘れられる権利」について、また被害者が自業自得などと他人から中傷されることなどについて、法制度の不備が論議されている。13年秋の国会では、野党議員からの質問に「現行法で対応できる」と法務大臣の答弁があったが、与党内でも新法や法改正を求める動きがある。

(金谷俊秀  ライター / 2013年)

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