日本海北部の西側を南下する寒流。リマンЛиман/limanとはロシア語の大河口の入江の意味で、リマン海流はアムール川の水の影響を受けた間宮(タタール)海峡から流出した水と考えられていた。しかし日本海を北上した対馬(つしま)暖流が日本海北部で反転し変質したものであるとする説が有力である。この海域の観測資料が十分でなく、詳しいことはまだわかっていない。冬季の冷却や春の融氷のため低温、低塩分である。夏季には表面は水温16℃以上、塩分濃度34(海水中の塩類の量をpsu=実用塩分単位で示した値)くらいになる。流速は平均0.5ノット(時速926メートル)くらいである。この海域はスケトウダラ、イカなどの漁場である。
[赤川正臣]
『市川健夫編著、山下脩二・白坂蕃・小泉武栄著『青潮文化――日本海をめぐる新文化論』(1997・古今書院)』
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…日本海の中央部では,北緯38゜~40゜までをこの対馬海流系の水が占め,それ以北と朝鮮半島北部側は,融氷やシベリア沿岸水の影響を受けた寒流系の水が占めている。シベリア東部から沿海州に沿って南西に流れる寒流は,古くからリマン海流と呼ばれている。晩春から秋にかけては季節温度躍層が発達して,25m以浅は河川水の影響を受けた高温・低塩分の海水で覆われる。…
※「リマン海流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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