リンネ鉱(読み)リンネこう(その他表記)linnaeite

最新 地学事典 「リンネ鉱」の解説

リンネこう
リンネ鉱

linnaeite

化学組成,硫スピネルに属する鉱物硫コバルト鉱とも。ポリジム鉱と固溶体をつくる。Ni, Fe, Cuを含む場合が多い。立方晶系,空間群Fd3m, 格子定数a0.943nm, 単位格子中8分子含む。淡鋼灰色,さびやすい。金属光沢,正八面体結晶。劈開{001}不完全,硬度4.5~5.5, 比重4.5~4.8(測定値),4.85(計算値)。鉱脈鉱床から針ニッケル鉱ゲルスドルフ鉱などのニッケルコバルト鉱物黄銅鉱磁硫鉄鉱輝蒼鉛鉱・方鉛鉱・閃亜鉛鉱とともに産出スウェーデンの分類学者C.Linnaeus(1707~78)にちなみ命名

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リンネ鉱」の意味・わかりやすい解説

リンネ鉱
りんねこう
linnaeite

いわゆる硫スピネル系鉱物の一つ。四三コバルト鉱という和名もある。理想式Co2+Co3+2S4を(Co,Ni,Fe,Cu)3S4と拡張した場合、括弧(かっこ)のなかでCo(コバルト)がもっとも多量になっていればこの名前でよばれる。理想式に近いものはまれである。多量に産する場合はとくに端成分から大きく外れている傾向があることもある。自形は正八面体がもっとも普通である。

 深熱水性鉱脈型銅・ニッケル・コバルト鉱床あるいは接触交代鉱床(スカルン型鉱床)、正マグマ性鉱床に産する。日本では接触交代変成層状マンガン鉱床などから微量を産する。日本の産地では接触交代鉱床として岩手県釜石(かまいし)市釜石鉱山(閉山)、正マグマ性鉱床として北海道様似(さまに)町幌満(ほろまん)鉱山(閉山)、マンガン鉱床としては東京都奥多摩町奥多摩鉱山(閉山)などがあった。共存鉱物は黄銅鉱、磁硫鉄鉱、方鉛鉱、輝コバルト鉱、針ニッケル鉱、ポリディム鉱、閃(せん)亜鉛鉱、方解石など。同定は形態、黄鉄鉱よりは白色味の強い色による。黄銅鉱の集合中に含まれているものを風雨にさらすと、これを含まない黄銅鉱より早く虹色にさびる。命名はスウェーデンの博物学者カルロス・リンネにちなむ。

[加藤 昭 2018年12月13日]


リンネ鉱(データノート)
りんねこうでーたのーと

リンネ鉱
 英名    linnaeite
 化学式   Co2+Co3+2S4
 少量成分  Ni, Cu, Fe
 結晶系   等軸
 硬度    4.5~5.5
 比重    4.85
 色     鋼灰
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)

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世界大百科事典(旧版)内のリンネ鉱の言及

【コバルト鉱物】より

…主要産地はアフリカのコンゴ民主共和国からザンビアにまたがるコッパー・ベルトである。北のコンゴ民主共和国では銅の1/30,南のザンビアでは1/300程度のコバルトをリンネ鉱linnaeite Co3S4,カロライトcarrollite (Co,Cu)3S4などのチオスピネルとして含んでいる。コバルトはヒ素と結合して,輝コバルト鉱(Co,Fe)AsS,スクテルード鉱skutterudite(方コバルト鉱ともいう)(Co,Ni)As3として銀‐コバルト鉱脈中に産出する(ノルウェー,スウェーデン,ドイツ,カナダなど)。…

※「リンネ鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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