ライン川右岸の支流ルール川流域に広がるドイツ最大規模の炭田。面積約6200平方キロメートルに及ぶ。夾炭(きょうたん)層は層厚0.5~2.8メートルの多数の炭層を含む古生代上部石炭紀の地層で、東西方向に軸をもつ褶曲(しゅうきょく)構造をなして賦存する。総埋蔵炭量は数百億トンといわれる。原料炭と一般炭を産し、その比率は7対3となっている。1968年のいわゆる石炭法案の成立によって、この炭田の24の炭鉱会社が合同してルール石炭株式会社1社となり、炭田の合理的開発に踏み出したことはよく知られている。年出炭量は4073万トン(1998)。
[木下重教・樋口澄志]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…植物遺体の堆積と土砂による被覆がくり返されると,間に岩石層をへだててなん枚もの炭層が形成される。たとえば,ドイツのルール炭田では,石炭紀に属する厚さ約4000mの地層のなかに約100枚,合計の厚さ約80mの炭層が含まれている。また,堆積に適した条件が長く続くと厚い炭層ができ,1枚で数十mの厚さのものも存在する。…
…石炭の探鉱・開発,採掘,選炭,輸送を通して,それを燃料や工業原料としてユーザーに供給する産業。燃料としては一般炭が,電力事業,都市ガス事業などのエネルギー転換産業や,セメント工業,紙・パルプ工業などエネルギー多消費型の製造業へ供給され,原料としては原料炭が,鉄鋼業,石炭化学工業などへ供給される。西ヨーロッパでは,石炭鉱業会社が発電,ガス供給,コークス製造,石炭化学といった,より下流の部門を同時に手がけている例も多い。…
…ドイツの大手石炭会社で,ルール炭田を基盤とする。また83社に及ぶ企業グループの持株会社でもある。…
※「ルール炭田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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